新しいカメラで始める新生活:新生活応援バイヤーズガイド(2/2 ページ)
始まった新生活。「カメラなんてケータイで十分」なんて言わないで、気軽に撮れるコンパクトデジカメを手にしよう。きっと新しい何かが撮れるはず。
高倍率ズームで遠くの被写体を引き寄せる
携帯電話のカメラ機能になくて、コンパクトデジカメが備えるものの1つに光学ズームレンズの存在が挙げられる(携帯電話にも搭載した機種はあるが、ごく少数だ)。コンパクトデジカメでは一般的に3〜5倍程度の倍率のズームレンズを搭載するが、10倍以上のレンズを搭載する製品も今春にはいくつか登場している。
キヤノン「PowerShot SX200 IS」とパナソニック「LUMIX DMC-TZ7」はやや大ぶりながら、一般的なコンパクトデジカメのサイズのボディに12倍ズームレンズを搭載する。倍率は同じながら、前者は28〜336ミリ、後者は25〜300ミリ(いずれも35ミリ換算)と比較すると、前者が望遠より、後者が広角よりの設定となっている。
ボディサイズがもう少し大ききくなってもいいというならば、キヤノン「PowerShot SX10 IS」が28〜560ミリの20倍ズーム、ニコン「COOLPIX P90」が26〜624ミリの24倍ズーム、ペンタックス「PENTAX X70」が同じく26〜624ミリの24倍ズームレンズを搭載しており、遠方の被写体をぐっと手元に引き寄せての撮影が行える。
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タフネスデジカメ、各社から
川辺のバーベキューや潮干狩りなど、春先は水辺で遊ぶのも楽しい時期。デジカメといえば精密機器で水気や砂ぼこりは大敵だが、今春は各社から防水・防じんといったタフネス性能を備えた製品も登場してきた。タフネスデジカメといえば、いままではオリンパスとペンタックスの独壇場だっただけに、プレーヤーが増えたことは大歓迎だ。
こうしたタフネスモデルとしては、オリンパス「μTOUGH-6000/8000」、ペンタックス「OptioW60」、パナソニック「LUMIX DMC-FT1」、富士フイルム「FinePix Z33WP」、キヤノン「PowerShot D10」が挙げられる。
水中にシーンを限れば最も高いタフネス性能を持つのはμTOUGH-8000で、水深10メートルまでの防水性能(IPX8相当)と防じん性能(IP6X相当)、それに高さ2メートルからの落下に耐える耐衝撃性能、−10度までの低温でも問題なく動作する耐低温性能、100kgfまでの荷重に耐える性能を持つ、「タフネス」の文字にふさわしい仕様だ。CCDシフト式の手ブレ補正機能も備えている。
水中では画角が狭くなるので広角レンズを搭載していると、ダイビングやシュノーケリングの際、地上に近い感覚で撮影できる。μTOUGH-6000/8000とLUMIX DMC-FT1は28ミリからの広角レンズなので、この点も安心だ。なお、キヤノン「PowerShot D10」には同社初の防水モデル、富士フイルム「FinePix Z33WP」には防水・防じん設計で世界最小最軽量(同社)、LUMIX DMC-FT1はAVCHD Liteによるハイビジョン動画撮影機といった特徴もある。
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新アプローチで新機能
カメラにとって最も重要な2大要素は撮像素子とレンズだが、前者についてドラスティックな改良を施したのが、富士写真フイルムの「FinePix F200EXR」。人間の目をヒントにしたという新型撮像素子「スーパーCCDハニカムEXR」を搭載し、「高解像感」「広ダイナミックレンジ」「高感度・低ノイズ」の特徴を使い分けた撮影が行える。もちろん、顔・シーン認識技術も導入されている。
撮像素子といえばこれまでコンパクトデジカメの撮像素子はほとんどがCCDだったが、最近ではCMOSを搭載した製品が増えてきた。CCDとCMOSは基本的に映像を得るための仕組みに違いはなく、信号の読み出し方法が異なる。これまでコンパクトデジカメにおいてCCDが多く採用されてきたのは、CMOSに比べて相対的に高感度でノイズが少なく、結果的に高画質が得られやすかったからだ。
しかし、最近ではCMOSも画質面での改良が進み、読み出し方法の違いに起因する高速読み出しを生かしたコンパクトデジカメが登場してきた。その筆頭が、カシオ計算機のHIGH SPEED EXILIM「EX-FC100/FS10」、ソニー「サイバーショット DSC-HX1」、リコー「CX1」だ。
EX-FC100/FS10は、30枚/秒の超高速連写や1000fpsのハイスピードムービー撮影に対応、ミルククラウン(液体の表面に、その液体を一滴だけ垂らすと王冠状の模様が出現する現象)や野球でバットがボールにヒットする瞬間など、人間の目ではとらえられない瞬間も撮影できる。EX-FC100/FS10は超高速連写に関する機能に違いはないが、FC100は5倍ズームレンズ(FS10は3倍ズームレンズ)、手ブレ補正の有無(EX-FC100はアリ FS10はナシ)、厚さ(EX-FC100は22.6ミリ、FS10は16.3ミリ)などに違いがある。
DSC-HX1は20倍ズームレンズを搭載しており、形状こそデジタル一眼レフを小さくしたようなスタイルだが、10枚/秒のフルサイズ(9メガ:3456×2592ピクセル)高速連写を行える。また、高速連写機能を利用し、高感度かつ高速連写した6枚の画像を解析して重ね合わせることとでノイズの少ない夜景を撮影する機能や、連写しながらカメラを動かすと最大224度のパノラマ画像を撮影できる「スイングパノラマ」といったユニークな撮影を楽しめる。
CX1は露出が異なる2枚の静止画を連続撮影し、それぞれの適正露出部分を合成、記録する「ダイナミックレンジダブルショットモード」を搭載。このモードでは、ダイナミックレンジの幅を最大12EV相当まで拡大する。また、7カ所の異なる合焦ポイントを自動で検出し、それぞれにピントを移して10コマ/秒のスピードで7枚の画像を撮影する「マルチターゲットAF」といった機能も備える。
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