仕事に生かせるか? 増える「ご当地検定」

» 2008年02月29日 11時46分 公開
[伊藤緑,Business Media 誠]

 あなたは履歴書に記入できる資格を、いくつ持っているだろうか? 社会人になって以来、業務で必要なもの以外、試験や検定といったものとはまず縁がない、という人も多いだろう。

 しかし数年前から、地域の歴史や文化、自然、産業など、知識を持った人を試験によって認定する「ご当地検定」がちょっとしたブームになっている。人気の「京都・観光文化検定」や「江戸文化歴史検定」は、1万人を超える受験者がいるという。では、このご当地検定には、どんな種類があるのだろうか。

週1ペースで増えているご当地検定

地域検定振興協議会のサイト「御当地通」

 ご当地検定を知るには、地域検定振興協議会が運営するWebサイト「御当地通」がある。ご当地県展の数や種類について、事務局の石黒基國氏は「Webサイトを立ち上げた2006年4月には、実施予定を含めて46検定だったものが、現在は151検定に増えています」と話す。週1つのペースで増えている計算だ。

 また最近のトレンドとしては、都道府県単位の検定から、市町村単位の検定に移ってきているという。「新たに地域の特産品や観光地に関する検定、また観光の人材育成に関するものが増えてきています」(石黒氏)

 もちろん趣味で受験するのも良いが、ビジネスパーソンにとってはスキルアップに、転職を考えている人には、履歴書に書ける検定ではないだろうか? 実際、どんなものが仕事に直接つながるのか、石黒氏に聞いてみた。

地域検定の中には就職、転職者にとって見逃せないものも

東京都内を案内する東京シティガイドクラブ

「北海道フードマイスター」

 当初、この資格を持っている人は、商工会議所会員企業への就職時に「優遇する」と明確に打ち出していた検定。しかし現在では、受験者の実態に合わせ、優遇策が変わってきている。開業希望者には、資金・経営に関する相談をはじめ、支援制度がある。

「東京シティガイド検定」

 この検定は、合格者が都内観光の一翼を担うことを目的に実施されている。合格者は「東京シティガイドクラブ」に入会することができ、会員になると都内観光の案内サービスを有料で行うことができる。

「おたる案内人検定」

 小樽の観光を支える人材育成のために、小樽観光大学校で実施されている。この検定はホテルなどで働く人のほか、タクシー運転手やガイドにも向いている。もともとは観光都市である小樽市民が旅行者に対して、“おもてなしの心”を持つという意味も込められている。

 このほか自治体などへの就職、転職を希望する人にとって、その地域の検定は、見逃せないものになりそうだ。

 気になる地域や名産品があれば、一度、試してみるのはどうだろう。久しぶりにテキスト片手に、勉強するのもいいかもしれない。

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