「寒くなってきたので、そろそろストーブを出さなければ」と考えている人も多いはず。原油高は収まりつつあり、灯油の値段も戻りつつあるとはいえ、できれば消費量を節約したいもの。「家の中では厚着をして、できるだけストーブをつけない」という節約法もあるだろうが、部屋の中を暖めながら節約することはできないだろうか。
日本で寒い場所といえば「北海道」。そこで北海道経済産業局に「灯油の節約術」を聞いた。まず灯油を節約するためには、4つの基本原則があるという。
4つの基本原則
1.熱を逃がさないこと
2.室温を下げること
3.効率の高い暖房機器を使うこと
4.日差しを利用すること
「この4つの原則を理解して、それらにつながることを工夫すれば灯油を節約することができます」(北海道経済産業局)。1つめの「熱を逃がさない」ようにするには、どのような対策があるのだろうか。熱は建物の壁や床、窓から逃げていくため、できれば断熱材を設置していることが望ましい。しかし古い家に住んでいる人の場合、「どこからか分からないけど、隙間風が入ってきて寒い」と嘆く人もいるだろう。そこで「カーテンを二重にする」「窓から冷気の侵入を防ぐため、断熱ボードを設置するのがオススメです」とアドバイスしてくれた。
このほかキャンプ用のマットを窓の内側に立てたり、じゅうたんの下に敷くなど、熱を逃がさない工夫はいろいろありそう。
2つめの「室温を下げる」。当たり前といえば当たり前のことだが、どの程度の効果があるのだろうか。北海道経済産業局の調べによると、家全体を22度から20度に引き下げた場合※、年間232リットルの削減が見込めるという。暖房をしていると天井付近は暖かいのに床は寒い、といったことがある。そこで扇風機を使い、部屋の空気を循環させれば、結果的にムダな灯油を使わなくて済むのだ。
3つめの「効率の高い暖房機器」について、こう説明してくれた。「昔の石油ストーブなどを使えば、有効に灯油を使用できるのは8割程度。この捨てられる熱を1割少なくすれば、灯油の消費量を1割少なくすることができます」。暖房機器を選ぶ際には、国が定める目標値をどの程度達成しているかを示す「省エネラベル」を確認することがポイント。新しいストーブを買う際には、このラベルを見て、省エネ性能の高い製品を選ぶのはいかがだろうか。
4つめは天気が良いときには、できるだけ「日差しを利用しよう」ということ。天気が良ければ早めに暖房を止めたり、陽が陰ってきたら、早めにカーテンを閉めるなど、ちょっとした工夫で節約はできそうだ。
「灯油代がもったいないから、ストーブをつけないで我慢する」といって、風邪を引いたら元も子もない。ちょっとした工夫で上手に灯油を使えば、今年の冬は“節約して”寒さを乗り切れるだろう。
方法 | 金額 | 灯油(リットル) | CO2削減量(キログラム) |
---|---|---|---|
天井から床までのカーテンを使用する | 4900円 | 49 | 122 |
家全体の室温を2度下げる(22度から20度) | 2万3200円 | 232 | 578 |
効率の高い暖房機器を選択する | 5600円 | 56 | 139 |
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