今年も残すところ1カ月ちょっととなったが、2008年はどんな年であっただろうか。景気減速や金融不安、原油高など、消費者にとっては生活防衛意識が芽生えた年だったかもしれない。SMBCコンサルティングが毎年発表している「ヒット商品番付 2008年」でも、消費低迷を象徴する結果となったようだ。
10年前の1998年、SMBCコンサルティングのヒット商品番付を見ると「消費マインドが冷え込み、5年ぶりの『横綱不在』の年となった」という解説で始まっている。そして10年後の2008年も、ヒット商品は見当たらず「横綱不在」。「10年前は、その後3年間横綱不在が続いたが、今後も大型ヒット商品が生まれにくい環境は続くだろう。だが、それは消費の冷え込みを示すのではなく、選択の対象が変わったと見るべき」(SMBCコンサルティング)としている。
2008年のヒット商品番付を見ると、東の大関は「アウトレットモール」、西の大関は「5万円PC」。アウトレットモールはブランド品が低価格で購入できるほか、レジャー施設としても楽しめることなどが評価された。また5万円PCについては、買い替えや2台目需要を喚起した点で、大関にランクイン。
東の関脇には、NHK大河ドラマの「篤姫」。放送開始以来、常に視聴率20%以上を記録したほか、篤姫の故郷・鹿児島への経済効果は200億円以上あったともいわれている。西の関脇には、タレントの田中義剛氏が牧場長を務める花畑牧場の「生キャラメル」。1箱12粒入りで850円とやや高めだが、千歳空港では行列ができるほどのヒット商品となった。
このほか東の小結には「ランニング&自転車」。2008年4月から始まったメタボ健診の義務化やガソリン価格の高騰により、通勤でも自動車から自転車に乗り換える人が増えた。西の小結には任天堂のゲームソフト「Wii Fit」。また公開初日から31日間で興行収入100億円を突破した、宮崎駿監督のアニメーション映画『崖の上のポニョ』は西の前頭1だった。
2008年のヒット商品はどんな傾向があったのだろうか。SMBCコンサルティングによると、「生活防衛意識を反映し『家チカ(家の近く)』『家ナカ(家の中)』関連の人気商品が目立った」と分析。さらに「価格」「安全」「エコ」「健康」「交流」をキーワードに挙げ、「これは2009年も続くと見られ、ヒット商品もこれらのテーマから生まれるだろう」とも。
また2009年は、携帯電話の買い替えラッシュになると見込んでいる。携帯電話の2年契約が切れる年であるほか、PC並みの性能を持つ「Google 携帯」や新スマートフォンの発売が予定されている。「iPhone VS. Google 携帯 VS. 新スマートフォンの競争に注目が集まるだろう」(SMBCコンサルティング)
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