2009年に入ってから総合週刊誌にとって、3つの大きな出来事があった。このままだと総合週刊誌への不信感は高まるだろうし、部数も坂道を転げ落ちるように減少していくかもしれない。例えば『サンデー毎日』の部数は10万部を切っている。失礼な言い方だが、もはや“ミニコミ”(少数者に対して情報を伝達すること)の世界だ。かつての『週刊朝日』は150万部の部数を誇っていたが、いまは17〜18万部。このままだと、バタバタと総合週刊誌が休刊してしまう。
残念ながら、総合週刊誌は利益を生み出していない。また名誉毀損によって、高額の損害賠償を支払わなければならないかもしれない。「こんな雑誌は早く潰して、あまりトラブルを起さない雑誌を作りたい」という会社側の気持ちも分かる。しかし新聞、テレビ、雑誌――この3つのメディアは切磋琢磨しながら、国民の知る権利に答えていくべきだろう。ちなみにネットメディアはまだまだ力不足だと思う。
多様な言論があって、その中で人は「この情報は面白そう」「こういったものを読んでみたい」と考え、1冊350円の週刊誌を手に取る――私はこういった世の中の方が良いと思っている。(続く)
→なぜ同じような雑誌が出てくるのか? 柳の下にドジョウが3匹の不思議
1945年11月24日生まれ、1966年早稲田大学商学部入学。1970年講談社に入社し、『FRIDAY』(1990年)と『週刊現代』(1992年)の編集長を務める。
2007年2月から2008年6月まで「オーマイニュース日本版」で編集長、代表取締役社長に就任。現在は上智大学や法政大学などで、「編集学」の講師を務める。
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