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» 2009年11月02日 08時00分 公開

DVDからブランドバッグまで……付録付き雑誌が増えている理由出版&新聞ビジネスの明日を考える(2/7 ページ)

[長浜淳之介,Business Media 誠]

戦略的に全ファッション誌に付録を付けた宝島社の躍進

 雑誌の付録といえば、古くから学研の『科学』と『学習』シリーズが知られる。子どものころ、アリの巣の観察セットや万華鏡キットに心をときめかした人も多いだろう。しかし、大人向きの雑誌の場合、何かを学ぶためのツールではなく、実用に供するモノや購買欲を刺激する趣味の品が選ばれるようだ。

 そうした中、付録付きファッション誌を戦略的に出して、シェアを伸ばしているのが宝島社だ。同社は、月刊『宝島』、生活・実用からビジネスや社会問題まで多彩なテーマを扱うムック『別冊宝島』、日本における田舎暮らしブームの火付け役『田舎暮らしの本』などを出しているが、最近はファッション誌の趣向を凝らした付録で、“付録といえば宝島社”といったイメージが強くなってきているようだ。

 同社のファッション誌が初めて付録を付けたのは2002年のこと。男性誌『smart』からで、同誌は10〜20代の読者が多く、カジュアルなファッションを扱う。スポーツシューズ・ウエアの「ナイキ」と、ストリートファッションの「SOPHNET.(ソフネット)」のビーチボールを付けるなど、頻繁に付録を付けて大きな反響があった。

 そこで、ほかの女性ファッション誌にも拡大して、2004年からは戦略的にすべての月刊ファッション誌(女性誌6、男性誌1)に付録を付けるようにした。「女性誌は細分化が進んでいて数もたくさんあり、読者の側から見れば、立ち読みではすべて中身を見て吟味できなくなっています。そこで他誌との差別化のために、読者に人気のあるブランドのアイテムを付けてみました」(広報課課長・桜田圭子氏)。当時は付録を毎号付けるファッション誌は他社になく、差別化のために始めたというのだ。

宝島社の付録付きファッション誌

 重要なのは、宝島社のファッション誌の付録は編集部で独自に企画し、製作していることだ。ブランド側に提供してもらっているのではない。サンプルを作り、ブランドを展開しているメーカーとデザインなどとすり合わせを行う。そしてチェックが完了し、雑誌の付録として店頭に並ぶまで、半年以上掛かる時もある。製造工場はブランドに紹介してもらったり、中間に商社が入ることもある。また、海外で作ることもあるという。

 宝島社は元々ムックで、プロレスラーのサイン入りタオルを製作して付録にするなど、編集の一環として付録をコンテンツの1つと考える企業風土があったのも、この戦略の背景にあった。

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