2月17日、ユニクロの柳井正会長兼社長は記者説明会において「Facebookと連携した企業オンラインファッションコミュニティ『UNIQLOOKS(ユニクルックス)』を、世界で一番評価されるコミュニティにする」と宣言した。
UNIQLOOKSは、ユニクロのアイテムを身に着けたユーザーが自身の写真を投稿したり、「イイネ!」と評価しあったりできるコミュニティサービス。世界中のユーザーがどのようにユニクロのアイテムを着こなしているのかをリアルタイムで共有できる。また、気に入ったアイテムがあれば、そのままユニクロのオンラインショップから商品を購入することもできる。
3月中旬にはiPhoneアプリをリリースする(Androidアプリは、iPhoneアプリで得られたフィードバックを基に開発する予定で、リリーススケジュールは未定)。また、「Look of the Week」というユーザーコンテストを毎週開催するほか、オリジナルコンテストを開催する(例えば、新製品だけのコンテストやユニクロが出店する都市対抗コンテストなど)。
全世界で6億人のユーザーが参加するといわれるソーシャルネットワークサービス(SNS)「Facebook」だが、日本人ユーザーにとっては実名制主義が障壁となって伸び悩んでいるといわれる。それでも柳井会長がFacebookを選んだ理由は、まさに実名制にあった。
「FacebookはGoogleのアクセス数を抜いて世界一になったと聞く。出店するからには『世界最大のコミュニティに』となるのは当然だ。エジプトの変化を見ても分かるように、すでに個人が発信する時代になった。個人が新聞社、個人が放送局だ。ユニクロの服、あるいは情報を媒介にして、世界中で個人が双方向につながって、そこからファッション界にも変化をもたらしてほしい」
「UNIQLOOKSは、実名制のFacebookでなければできないものだ。インターネットの匿名性というものは、信用できないし、参加したと思えない。参加するということは、個人が責任を持つということ。投稿に責任を持つことによって、その情報は信用できるものになる」
これまでのユニクロのWebマーケティングのうち「UNIQLOCK」や「UNIQLO Calender」からは言語の制限に縛られることなく、一瞬で魅力を伝えられる「コンテンツのチカラ」を学んだという。また、「SPORTWEET」や「UNIQLO Lucky Line」などのTwitterを始めとするSNSとの連動では、「Power to People to People(人から人へと自然発生的に伝わるチカラ)」を実感したという。これらから得られた知見から、実名制でお互いの顔が分かるFacebookを選んだことは当然の帰結なのかもしれない。
ユニクロは、世界中の人々のための服つくりとして「MADE FOR ALL」というスローガンを掲げている。柳井会長はUNIQLOOKSを通じて、ユニクロの服とは何なのかという定義の具現化を行うつもりだ。
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