製造業の3社に2社、「海外現地生産を行っている」

» 2011年03月23日 12時28分 公開
[Business Media 誠]

 東北関東大震災の被害を受け、トヨタ自動車やソニーなど多くの工場が操業を停止している。生産拠点の分散もリスクマネジメントと言えるが、海外生産を行っている企業はどのくらいあるのだろうか。

 内閣府経済社会総合研究所の調査によると、2010年度の上場企業(製造業)が海外現地生産を行っている割合は67.2%であることが分かった。ここ数年は横ばいだが、20年前(1990年)と比較すると、26.9ポイントも上昇している。

 一方、海外現地生産(生産高)比率を見ると、2010年度は18.0%※。20年前(1990年)は4.6%、10年前(2000年)は11.1%と、年々着実に上昇している。海外現地生産比率を業種別に見ると、「電気機器」「ゴム製品」「輸送用機器」「精密機器」「繊維製品」などで高く、「パルプ・紙」「鉄鋼」「医薬品」などで低い傾向にあった。

※海外現地生産を行っていない企業も含めた回答企業の単純平均。
海外現地生産(生産高)比率推移(出典:内閣府経済社会総合研究所)

コストよりマーケット

 「生産拠点を海外に置く理由」を尋ねると、トップは「現地・進出先近隣国の需要が旺盛、または今後の拡大が見込まれる」で42.9%で断トツ。以下、「労働力コストが低い」が26.1%、「資材・原材料、製造工程全体、物流、土地・建物などのコストが低い」が8.9%、「現地の顧客ニーズに応じた対応が可能」が8.6%、「親会社、取引先などの進出にともなって進出」が7.7%で続いた。

 コストより、マーケットを意識して海外進出をしている企業の方が多いようだ。

 郵送などによる調査で、対象は東京、大阪、名古屋の証券取引所第1部および第2部に上場する企業863社(うち製造業は461社)。調査時期は2011年1月。

生産拠点を海外に置く理由(出典:内閣府経済社会総合研究所)

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