バブル経済が崩壊し、日本は就職氷河期を経験した。そして東日本大震災が発生し、「再び、超氷河期がやって来る」といった懸念の声は多い。こうした厳しい時代に就職する学生は、不幸なのか――。この問題について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。
城:リクルートワークス研究所によると、2000年に大卒の求人倍率が1.0を割りました。現在33〜34歳の人は超氷河期を経験しています。
ちきりん:逆に、その世代の人で企業にもぐりこんでしまった人は楽なんでしょうか?
城:人事制度的に言うと、数が少ない世代は楽なんですよ。なのでバブル世代が一番きつい。
ちきりん:銀行はバブル時にものすごくたくさんの人を採用しましたよね。今、彼らはかなり“残念”なことになっていますよね……出向先も足りないようですし。
城:ないですね。彼らを再教育し、個人リテール部門に配属するしかないのかもしれない。
個人的に超氷河期を経験した33〜34歳の人は、世代的に一番面白いと思っているんですよ。あまりにもきつい経験をしているので、日本企業に期待してもムダだといった雰囲気がある。そんな彼らが今後どんなことをしてくるのか、とても興味がありますね。
リーマンショックの影響を受けた世代はあまりにも突発的に世の中が変化したので、就職活動の準備をすることができなかった。しかし来年、そして再来年に社会に出る人は相当の覚悟をしなければいけない。就職活動に向けてかなり準備しているはずですが、それでも内定をもらえない人がたくさん出てくる。彼らの中で「世の中を変えてやろう!」という面白い人物が現れるかもしれません。「震災後に就職する僕らはついていない世代」と考えるのではなく、もっと前向きに考えてほしいですね。
ちきりん:そうですよ。大企業に就職なんかできなくても、楽しい人生はありますから(笑)。こんなことを言うとよく「あなたは恵まれているから……」といった声を聞くのですが、反対ですよね。私は恵まれていませんでした。私が就職したころは景気はよかったですが、女性を男性と同条件で採用してくれる会社自体がほとんどなかったんですから。
だけど、女性であるがゆえにあのクレージーな仕組みに入らずにすんだので、むしろラッキーだったんです。この国で「恵まれてる」というのは、とても怖いことだと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング