要するに、問題点を探し出し、取材するのが記者だ。疑問点が取材を通じて解決、これがニュースバリューを有していれば記事にするという、記者として当たり前の姿勢が先の「内覧会取材」では決定的に抜け落ちているのだ。
「企業とある程度仲良くなっておかないと、仕事にならない」という現場の声は、経済部出身である私にも理解できる。新製品の発表、あるいは企業の戦略変更など重要なニュース素材は、ある程度広報マンと関係を保っておかないといざというとき、すなわち独自取材を進める上で障害となり得る。
だが、現状のようにここまで横並びの「内覧会取材」記事が氾濫すると話は別だ。先の大震災に伴う原発事故発生当初、企業や政府の発表を鵜呑みにしていた記者マインドは、こんな下地があったと言ったら言いすぎだろうか。
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