おりしも、中国はシャドーバンキングの残高が130兆円とも600兆円ともいわれ、これが火種になる可能性もある。この巨額の資金がいっせいに逃げだそうとすれば、それだけでパニックになりかねない。世界第2位の経済大国である中国だが、これまでの「放漫経営」のツケが回ってくる可能性もあるのだ。
別に危機を煽っているわけではない。米国はいちおう景気回復の軌道に乗ったように見える。FRB(連邦準備理事会)のバーナンキ議長の「出口」発言にしても、それを言い出せるほど状況がいいということでもある。しかし、米国以外ではまだ力強さはない。
日本の2013年の成長率は2.0%と、4月よりも0.5ポイントも引き上げられた。アベノミクス効果が大きい。ただIMFも日本がこれで本格回復に向かうとは見ていない。2014年の成長率見通しは、1.2%と再び低下する。それは「世界経済全体が減速しているからだ」とIMFリポートは説明している。
新興国の成長率が落ちて、牽引車を失った世界経済が、今後どのように動くのか。米国がいつ機関車国に戻るのか。日本の周りはいつもにも増して、リスクがたくさんある。参院選に勝っても、安倍首相が枕を高くして眠れるわけではない。
ユーロ圏の不振は経済だけの問題ではない
中国経済にちらつく第2の“リーマンショック”の影
参院選後を読む、安倍首相は救国の指導者となるか
世界経済における中国の位置付けが変わりつつあるCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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