先に述べた「共感+質問の技術」は、「フィードバックを『する』技術であって、『される』技術ではないのではないか」と考えるのは誤りです。
人に「フィードバックする」ことによって、自分が「フィードバックをされて気づく力」が養成されるのです。
「人から吸収する」とは、他者の質問を受け、再度自分のなかで振り返り(内省)を呼び起こすことです。すると、新しい次なる行動を発見することができるのです。
実は、相手に対して「質問」をすることは、自分にも対しても「内省」を呼び起こしているのです。もちろん相手に気付きを与えるために「質問」しているのですが、その「本質的な質問」は自分にもはね返ってくるのです。
他者の目標達成に寄与することで、自分のための学びを得ることができるのです。ですから、相互フィードバックこそが「人から吸収する技術」となるのです。
例えば、あなた以外にチームメンバーが5人いて、毎週、相互フィードバックを行っているとしたら、毎週5つの「目標達成における“お題”があなたに向かってくる」と思ったらいいのです。
あなたの「共感」によって、相手に聞く気持ちになってもらい、あなたの「質問」によって、相手がハッとする気付きを与えてください。
そして、あなた自身にもブーメランのように、その「質問」を投げかけてみてください。きっと新しい発見があります。
「他者との関わりによって学びを得る」ということは、量ではなく、質が重要なのです。質とは思考の深みです。ふだんやりすごしている仕事の1つひとつに、実は次なる行動のヒントが隠されています。そうして学びを深めていくことこそ、「人から吸収する技術」の本質なのです。
(絶対に達成する技術=終わり)
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