8月29日に、新聞各紙は一斉に日本の生産年齢人口が減少したことを伝えました。
現役世代の負担一段と 生産人口8000万人割れ「団塊」の年金重荷 財源・歳出見直し不可避
(日本経済新聞 平成25年8月29日付)
生産年齢人口というのは15〜65歳までの人口です。要するに働き手がどんどん減っているということです。
今、日本では、非正規雇用やフリーターも含めて、働いている人の割合を示す就業率は56%です。景気の低迷とともに高齢化が進んでいるので仕方がないのですが、国民の半数近い44%の人は働いていません。
高齢者の年金や医療、介護の費用や、働いていない人の生活保護や社会保障にかかる費用などを、どんどん減っていく働き手たちの所得税やその人たちが働いている企業の法人税だけに頼っていくのは無理があります。
労働者世代への負担が、これからどんどん大きくなりすぎていってしまいます。今の子供たちが大人になったときにどれほどの不公平感を持つことでしょう。
「働いても働いても税金で持って行かれるような国では働きたくない」という若年が増えてしまうかもしれません。真面目な働き手や雇用を生み出してくれるような稼げる企業を、日本の外に追いやるような税体系では国力が落ちるばかりです。
消費税などの間接税は、お年寄りも含めて国民全体が負担する税です。
直接所得を得る人が減っていくから、これからの日本は間接税の割合を増やしていく必要があるのではないか、と思うのです。
日本の財政の現状から「将来的には欧州各国並みに15%以上にならざるを得ない」とも言われています。5%を8%にするくらいでワーワー言っている場合ではないです。軽減税率や逆進性緩和のための給付金などは、消費税が15%超えてからのことだと思います。
むしろちゃんと計算して消費税が20%必要となったら、もうそうすると決めたらいいと思います。そしてそのスケジュールをバーンと出してしまったほうがいいのではないでしょうか。
税体系の組み換えなので、所得税や法人税の直接税の減税も考えないといけないかもしれませんが、要するに「国の税体系と財政を○年かけてこうします」と、はっきりと決めたほうがいいと思います。
そのほうが私たちも準備ができます。もし途中で財政が好転したら増税スケジュールをやめればいいのです。
前述のとおり、確かに生産年齢人口は、平成24年には7990万人だったのが、平成25年には7971万人に減少していますが、実は、実際に働いている労働者数は、5492万人から5502万人へとプラスに転じています。少し景気が良くなっているということだと思います。
このタイミングで消費税はさっさと上げて、秋の臨時国会はもっと大事な成長戦略をどうするかという議論に移ってもらいたいものです。(川瀬太志)
※この記事は、誠ブログの世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる:「なぜ消費税でなければダメなのか?」 〜直接税と間接税の違いとは?〜より転載、編集しています。
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