無料であるということを前面に出して安全、安心をうたっているものについて、筆者はまず疑ってかかることにしています。世の中にはすばらしい開発者がたくさんいます。むしろ9割以上はそういう善良な、世界をよくしていこうと思っている人々です。しかし、ほんのちょっとの悪意ある人のために、このような「疑ってかかる」行為をしなくてはならないのは本当に悲しいことです。
特にセキュリティアプリの場合、毎日のように生み出される「マルウエア(悪意あるプログラム)」を採取し、それを解析し、対策ファイルを作りだすという作業を絶えず繰り返しています。当然、かかったコストを回収しなければなりません。
ところが、セキュリティベンダーの中には「フリー」戦略をとる会社もあります。その場合、無料でも品質の高いセキュリティアプリで多くのユーザーを獲得して、高機能なプレミアム版で収益を回収しています。ですから、一概に無料のセキュリティソフト=悪とはいえないのが困りどころでもあります。
筆者は気になる無料アプリがあれば、必ず開発元のWebサイトをチェックします。開発者ブログがあれば、どんな情報を発信しているか、最近も更新されているのかどうかといった姿勢を見てから判断します。このような「継続姿勢」が、アプリへの信頼を作り出す時代になったのかもしれません。
これはセキュリティ関連アプリだけでなく、ネット上にあるすべての情報――レビュー/まとめ/キュレーション/質問サイトなど――も同じなのかもしれません。耳さわりの良いキーワードがあったら、ちょっと構えて自分でかみ砕いてから吸収する。これが、これからの情報との付き合い方なのでしょう。
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