“怖いソーシャルメディア”を、就活生は逆手に取って使いこなせ!サカタカツミ「就活・転職のフシギ発見!」(2/2 ページ)

» 2013年11月11日 08時18分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]
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採用担当者をフォローすると就活に役立つ意外な理由

 SNSにも少しずつ慣れてきた、という就活生は「ある人たち」のアカウントを探してフォローすることをお勧めします。それは、採用担当者たち。実は、企業はオフィシャルでTwitterのアカウントやFacebookのページを用意しているケースが多いのですが、同時に採用担当者「個人」でアカウントを持っていることも少なくありません。ちょっと探してみれば、すぐに発見できるはずです。

Twitter 新卒採用のためにTwitterアカウントやFacebookページを開いている企業は多い

 彼らをフォローすることで、仲良くなって就活を有利に展開しろという話ではありません(以前はあったようですが最近はあまり聞かなくなりました)。彼らの発信する情報に注目していると、就活生の周囲で流れている情報とは少し違っていることに気がつくと思います。例えば、赤裸々に自分の行動を流しているアカウントをフォローしていると、採用担当者の中には「地方にばかり出張に出ている」という人がいることに気づきます。

 地方の大学生は就活において不利である、といわれる時代が続いていましたが、企業によっては地方の大学を行脚して、よい学生と出会おうと積極的に活動しているケースも少なくありません。企業のオフィシャルサイトで情報が流れていなくても、採用担当者個人のアカウントで「出張。空港で時間をつぶしている間に、とんこつラーメン。ここに来たらやっぱりコレだよね」などと投稿してあったら、ある地域に出かけていることは一目瞭然。就活生は「自分たちは地方大学なので不利だ」という伝説や思い込みに振り回されて、勝手にあきらめることなく、頑張るきっかけになるかもしれないのです(まあ、最近の地方大学のキャリアセンターの活況を見れば大丈夫なはずですが)。

 さらに企業の採用担当者たちは、自分たちと同じ仕事をしている別の企業の採用担当者のアカウントをフォローしていることも多いので(同じ仕事をしている人たち同士は、仲がいいことが多いものです)たくさんの採用担当者たちをソーシャルネットワーク上で芋づる式に見つけることも、それほど難しいことではありません。その人たちの動きと発言を見ていると、就活を進める上で「実は気にした方が良いこと」が浮かび上がってくるのです。

 例えば、あるニュースがサイトにアップされ、それに関して感想を述べている投稿があったとします。周囲の採用担当者たちも一斉にそれに反応するというケースも少なくない。その手の話題の多くは「新卒一括採用」に関するものです。彼らの意見を読んでいると、これまた就活生の周囲でうわさされている話とは少し違っているケースが多い。

 ここまで読んでピンと来た人もいると思います。採用担当者たちの動向をチェックすることで、就活に関する考え方にはいろいろあることが分かると同時に、なにが正解でなにが正解ではないか、答えは一つではなく、ケースバイケースであることも分かるのです。しかもそれらの多くは、採用の現場の最前線にいる人たちの“生の声”です。それらを目にすることで就活生が「よく分からない」ために「不安に思う」気持ちが、少しでも解消される可能性が出てきます。

 当然、SNSに流れている情報なので、正確さであるとか、ホンネとタテマエの使い分けなど、留意すべき点はたくさんあるでしょう。しかし知らないで勝手に不安がるよりは、就活の「もう一方の当事者」である採用担当者に注目するのもアリだと思います。

採用担当者たちの熱意は意外に本物であるケースが多い

 もうひとつ。この連載の第1回で「サイレントお祈り」のことを書き、とても話題になりました(参考記事)。採用担当者は就活生をなめているのではないか、もっと誠実に対応するべきだろうという反応が多かったことを記憶しています。確かにそういう側面は否定できませんが、「そうではない」採用担当者がたくさんいることも事実。彼らのポジティブさが、SNSから垣間見えることがあります。

 日々活動的に学生と接点を持ち、さまざまなアドバイスをしている採用担当者のようすや、採用に関する課題を話し合うセミナーなどに参加し、自社の採用にフィードバック、新しい仕組みをつくり出している人たちも多い。私自身は彼らたちの多くと親しいので、その様子を知っていますが、彼らがSNS上でオープンにしているおかげで、彼ら自身と会って情報交換することをしなくても、それらをうかがい知ることができるのです。さらにいうと、それは「一就活生」の皆さんでも、知ることができる時代。

 新卒に限らず、企業の採用活動にはまだまだ「ブラックボックス」な部分が多いことは否定しません。が、時代と、それに伴って作られた仕組みやツールが、ブラックボックスであり続けることを難しくしています。分からないから勝手に想像して悩んでしまって、就活が先に進まないという時代は、もう終わろうとしているのです。妙な都市伝説や内定者の武勇伝を読むよりは、一次情報を提供してくれる「情報源」をSNSやネットで見つけて活用するほうがイマドキの就活らしいし有益だ、そう思うのです。

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