JR東日本が善意の医師に期待し、その善意に応えるために「医師支援用具」を列車に備える。これはよい話である。しかし、ドクターコールを受ける側、医師にとっては手放しで喜べない。JR東日本の発表を受けて、医師たちのコミュニティではドクターコールに関する議論が高まっているようで、その様子はtogetter「新幹線で救命処置を行う医者はバカか?(参照リンク)」でも垣間見れる。刺激的な見出しだが、真摯(しんし)なメッセージが多く投稿されている。
詳しくはリンク先を読んでいただくとして、ざっくりまとめると、「処置に失敗した場合、医療過誤訴訟に発展したり、賠償責任が発生するかもしれない」「ドクターコールは医師にとってリスクが大きい」「列車に医療器具を搭載するのは結構だが、医師の免責を法律で補償してもらいたい」という内容であった。持病のある人やJR東日本は医師の善意に期待し、医師もその期待に応えたい。しかし、その気持ちにブレーキをかける要因があるらしい。
これはなんと不幸なことだろう。急病人にも、医師にも、厳しい状況だ。JR東日本にとっても、「医師支援用具」が期待どおりに使われなければ、そこに費やした「カネ」と「善意」は無駄遣いに終わってしまう。
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