決済は実際にお金が動くため、通信、認証両面で確実性が求められる。ここまで来店のプッシュ通知や決済事例について解説してきたが、プッシュ通知はともかく、iBeaconを決済に使うなら「失敗しても仕方ない」では済ませられない。そしてもちろん、強固なセキュリティ性が確保されている必要もある。
セキュリティ性については、決済金額を数百円〜数千円程度で上限を設けてあったり、あるいは決済でなく「ポイントカード」での利用にとどまっているなど、日本ではまだ手探りな状況だ。ただ、サイフを取り出すまでもなく、スマホのみで来店から退店まで、買い物にまつわるすべての行動が完結する仕組みは、すごく便利なはずだ。新しい体験から、客の購買意欲を高め、来店を促し、満足度も高められるだろう。
さて、カンのいい人はここまでですでに気が付いたかもしれない。何度かあえて、あまり聞き慣れない「該当アプリ」という単語を使った。
iBeaconは、信号を出力するビーコン発信器そのものや、技術というより、「それぞれ個別のアプリ」を中心に、どのように周辺システムを構築していくかが重要になる。つまり、サービスを利用してもらうには、利用者がその該当アプリを「すでに使っている(インストール済みである)ことが前提」になる(※現時点は)。
すべての機能は「アプリ次第」。だから、この存在をなんとか告知して認知してもらい、まず「ユーザーにインストールしてもらう」ことがまず第一歩なのだ。ここが難しい……と、サービス提供各社はいま、ここに頭を悩ませている。
(続く)
では、この課題を打開するにはどうするか。次回はこの「アプリとiBeacon」に関する事情をもう少し掘り下げていく予定です。
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