父: 最後に、重版がかかった記念すべきこの良き日に改めて尋ねるが、お父さんはまだキモいの?
娘: これまでのトークの流れをぶち壊すようで悪いけど、あいかわらずキモいままだよ。
父: 「お父さんがキモい理由を説明するね」が公開されたのは1年半前だけど(参考記事)、当時と比較して改善が見られたとか、何かしら変化はあると思うんだが。
娘: どっちかというと、以前よりキモさはアップしているかな。
父: (な、なんだと……)
娘: サオリタンとかサオリンって気色悪い呼び方はしなくなった代わりに、不気味さが増している。1カ月くらい前、頼んでもいないのにあたしを塾に迎えに来て、外で30分くらいジーッと待っていたでしょ。先生たちが「窓の外から身動きせずに中を覗いている無表情の中年男性がいて怖い」ってざわついてたのよ。「……それ、ウチの父です」って恥をかいたんだからね(怒)。
父: 塾なんだから、やってくる大人は塾生の父兄ってのは明白だろ。それを怖いだなんて失礼な。
娘: 行動がしつこいんだって。風呂上がりに素っ裸で歩きまわるのだって変わってない。中学3年の女子がすぐそばにいるというのに。
父: す、すまん。GWを境に急に気温が上がって、つい横着をしてしまった。今後は腰にタオルを巻くから。
娘: 腰もイヤだよ。ムチムチのお腹がキモいよ。脱衣所で着替えてから出てきて。
父: えー、湯上がり直後は汗をかいて服が濡れちゃう……。
娘: あたしはそうしているよ? それとね、ちょうど昨日、学校でMちゃん(友人)に「サオリのお父さんってさ……その……なんていうか、アレだよね……」って言われたのよ。なんか申し訳なくなって、あたしが謝っちゃったよ。
父: 「アレ=カッコいい、クール、ダンディ」という解釈はできんのか。
娘: できんわ! 公開授業にやってきて、授業中に娘と目が合うたびに笑顔で小刻みに手を振ってくるなんて、いい加減おかしいって気がついてよっ。そのことが”アレ”なの。男子にも見られてるし……。あー、もーヤダ。
父: さっきから言わせておけば、ずいぶんと好き勝手言ってくれるじゃないか。
娘: お父さんもなんか言い返す? いいよ、あたしの悪い生活習慣や改めるべき点を指摘してよ。
父: いいだろう、この際だからハッキリ言わせてもらうぞ。サオリは……サオリは……えっと……
娘: もっと父とベタベタしろとかはナシだよ。
父: な、何もない……。お前には注文が何ひとつない。今のままのサオリでいてほしい。
娘: (勝ち誇ったような笑みを浮かべて)はい。ただね、ひとつフォローしとくと、キモさは別にして、しつけとか教育面でお父さんに文句はないの。そういう意味で直してほしいことってないしね。あたしが言うのもナンだけど、いい父親だって思ってる。認めるのがなんだか悔しいんだけどさ(笑)。
父: マジで? それは初めて聞いたよ。すげーうれしい。どうか忘れないでほしい、お父さんはありのままのサオリタンを愛しているということを。
娘: だーかーら、キ・モ・い!!!!!
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