なぜ、「わがままな上司」についていくのか?外資系エグゼクティブの働き方(2/2 ページ)

» 2015年07月13日 06時00分 公開
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「わがまま上司」についていく理由

(写真はイメージです)

 あるマネジャーの例を紹介します。彼は部署でナンバー2の地位にある人でした。会ったその瞬間から彼が神経質ということはすぐ分かります。細部までチェックする仕事の厳しさは有名で、ガラス越しに部屋の中から常に何が起きているかを見ています。

 中途半端な報告をしようものなら重箱の隅をつつくような質問攻撃が始まり、容赦ない叱咤(しった)が飛ぶ。はっきり言ってやりにくい上司でした。

 一方、彼の下にはこれまたやりにくい部下が何人もいました。他の部署の中間管理職たちが大声で文句を言っても、非礼はせずとも顔色1つ変えないような、決して権力には屈しないスタッフ。「クビにするならすれば? 他を探すだけだから」と思っている自信のあるタイプです。その難しい部下たちが、なぜか、そのマネジャーの重箱つつき攻撃には黙って従うのです。仕事が終わったあとに皆が集うバーで、ビールを片手に「全くうるさくて困っちゃうよ」と笑いながら話しますが、その言葉にはどことなく愛情がこもっています。

 部下たちにその理由を聞くと、こんな答えが。

 「だって彼は誰よりも働くし、誰よりも自分に厳しいんだよ。僕たちの仕事を完璧に把握しているし、知らなければすぐに質問をしてくる。僕たちに勝ち目はないね。うん、頭が上がらないよ」

 これこそが、どんなにわがままな上司でも部下がついてくる理由です。上司だから部下よりも頭が良いわけではありません。自分より頭の良い、優秀な部下をも自分についてこさせるようにするには、見えないところでの努力が必要になります。自分の地位だけでなく尊敬を守るためには、常に自分に厳しく努力を惜しんではいけないことを、できるエグゼグティブたちは教えてくれます。

今回のポイント

「人がついてくる人」ほど、誰よりも自分に厳しく、仕事ができる。


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