引き続き高年収は「金融系」――投資銀行業務は827万円
インテリジェンスの調査によると、全職種の平均年収は前年比19万円減の461万円。サブプライムローン問題や景気減速などの影響を受け、多くの職種で平均年収が下落した。
高年収は金融系――。インテリジェンスがまとめた調査によると、2008年版の平均年収ランキングは前年に引き続き、「投資銀行業務」が827万円で1位。次いで「運用会社(ファンドマネージャー、アナリスト、ディーラー)」(656万円)、「経営企画・事業企画・新規事業開発」(614万円)、「ITコンサルタント」(612万円)という結果に。上位10職種のうち、4種を金融系が占めるなど、金融系=高年収という構図が明らかになった。
年代別で見ても、25〜29歳、30〜34歳、35〜39歳、すべての年代で「投資銀行業務」がトップ。ただ2007年版のランキングでは、3つの年代ですべてトップ10入りしていた「プロパティマネージャー、不動産専門職」がランク外になるなど「不動産市場の停滞が年収にも反映された」(インテリジェンス)としている。
インテリジェンスの「DODA転職支援サービス」に2007年8月〜2008年7月までに登録した転職希望者のうち、25〜39歳(平均年齢30.5歳)に該当する約10万人が回答した。
全業種の平均年収は19万円減少
全職種の平均年収は前年比19万円減少し、461万円。減少した要因として、インテリジェンスは「2008年に入り、サブプライムローン問題や原油価格の高騰を背景に、国内の景気減速が影響している」という。多くの職種で平均年収は減少したが、増加した職種もある。最も増えたのは「投資銀行業務」(前年比35万円増)、以下「金融バックオフィス」(同27万円増)、「ITコンサルタント」(同10万増)など。ただ金融危機の影響を受け、「金融業界を中心にあらゆる業界で冬のボーナスの金額上昇が見込めないことから、2009年の平均年収へも影響が及ぼすだろう」と見ている。
地域別のランキングでは1位が「関東」で471万円、以下「東海」(452万円)、「関西」(441万円)と3大都市圏の年収の高さが浮き彫りに。また「関東」と「九州」(426万円)には45万円もの開きがあった。
関連記事
- 民間企業と公務員、冬のボーナスはいくらもらえる?
「冬のボーナスで○○を買って……」と計画している人もいるはず。しかし景気の停滞などを背景に、支給額は減少する見込み。残念ながら今年の冬は、懐が寒くなりそうだ。 - 大企業と中小企業、給与の差はいくら?
一般的に「大企業の給与は高い」といわれているが、本当なのだろうか? 大企業と中小企業の大卒初任給を比べると、大きな差はないものの、主任・係長クラスを比べると、8万円ほどの開きがあるようだ。社会経済生産性本部の調べ。 - 27歳と30歳の年収、3年で40万円の差
同年代の人間の給与はいくらだろうか? 他人の年収は気になるところだが、27歳の74%が年収300万円〜500万円であることが分かった。日経キャリアマガジン調べ。 - 「競争社会」に“待った”、強まる平等志向
日本人は「意欲や能力に応じ自由に競争できる社会」を望まなくなったのか――成果主義を導入する企業が増え、所得格差が広がった結果、「終身雇用」「年功序列」といった日本型の人事制度を支持する人が増えている。労働政策研究・研修機構調べ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.