2008年の新入社員“終身雇用派”が4割――入社後の何に満足しているのか?
社会経済生産性本部の調査によると、「今の会社に一生勤めたい」という新入社員は4年連続で上昇し、39.5%と過去最高。逆に転職を希望する人は、「仕事の内容」や「職場の風土・体質」などに不満を感じている。
入社前にいろいろなイメージを描きつつも、入社後にギャップを感じる新入社員も多いはず。配属後の状況が「期待以上」と感じたことは、どんなものがあるのだろうか。
入社前と比べ期待以上だったのは「職場の人間関係」(40.7%)が最も多いことが、社会経済生産性本部の調査で分かった。次いで「上司・先輩の指導育成」(30.4%)、「残業時間の長さ」(24.1%)、「配属先」(23.2%)、「職場の風土・体質」(22.4%)だった。逆に「期待以下」だったのは「残業時間の長さ」「思い描く人生設計に合っている」(いずれも27.5%)、「給料の額」(26.0%)、「配属先」(18.6%)という結果に。
「今の会社に一生勤めたい」とする回答は4年連続で上昇しており、社会経済生産性本部が2008年春に実施した調査(47.1%)に引き続き、秋(今回)の調査でも39.5%と過去最高となった。今の会社に一生勤めたいと回答した人は、入社前と比べ「職場の人間関係」や「上司先輩の指導育成方法」などが、期待以上と感じている人が多い。一方「転職を希望する」と答えた人は、「仕事の内容」や「職場の風土・体質」に不満を感じているようだ。
2008年春、秋に社会経済生産性本部が実施した研修に参加した新入社員869人が回答した。調査時期は9月から11月。
今後伸ばしたいことは「自社の製品知識や専門知識」
仕事の能力に関して、どんなことを伸ばしたいと考えている人が多いのだろうか。最も多かったのは「自社の製品知識や職種ごとに必要な専門知識」で38.4%、「マナーや言葉遣いなど社会人としての基礎知識」(17.9%)、「自分の意思を人前で話すこと」(7.5%)だった。
また上司や先輩から重点的に指導を受けてきたことは、「自社の製品知識や職種ごとに必要な専門知識」で31.8%。このほか「マナーや言葉遣いなど社会人としての基礎知識」(18.2%)、「分からないことがあったとき適切な質問ができること」(11.7%)、「仕事の優先順位を付けること」(8.7%)と続いた。
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