「PLY」が6層から5層になった理由:ふぉーんなハナシ
パッと見はコンセプトモデルから大きな変化がないように思える「PLY」だが、実は“層”が違っていた。
筆者が現在使用しているauケータイは「Cyber-shotケータイ W61S」。そろそろ買い換えたい……と思っていた矢先にiidaの新モデルが発表された。その中でも気になったのが「PLY」だ。それぞれ異なる着色をした5つの層が織り成すデザインはもちろん、会場で数分間触った限りではあるが、“東芝の最新スライド端末”としての完成度も高いと感じた。
PLYの基本的なデザインは2008年7月に発表されたコンセプトモデルを継承しているが、PLYのコンセプトモデルの“層”は5層ではなく6層だったのをご存じだろうか。製品版を5層にしたのは「ディスプレイ面をキー面よりも薄くしたかったため」(会場説明員)で、ディスプレイ面に2層、キー面に3層を割り当てた。
一方、コンセプトモデルはディスプレイ面に2層、キー面に4層が割り当てられており、全体の厚さは製品版よりも薄いという。1層多いにも関わらずコンセプトモデルの方が薄いということは、1層あたりは“かなり薄い”といえる。製品版も2:4に分ければよかったのにと思ってしまうが、さらに層を均等に薄くしながら、部品やアンテナなどを配置するのは困難だったのかもしれない。1層あたりの厚さと全体の厚さのバランスを考えた結果、「5層が最適」と判断したのだろう。
ちなみに、PLYのコンセプトモデルの発表時には、横スライド型、各層がスライドするタイプ、プロジェクターを内蔵したものなど、さまざまなバリエーションモデルが披露された。製品版は一般的な縦スライド型に落ち着いたが、コンセプトモデルのようなギミックに凝ったモデルが登場しても面白かったと思う。
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