第1回 「931SC」から何が変わった?――「OMNIA VISION 940SC」:「OMNIA VISION 940SC」の“ここ”が知りたい
3.5インチの大型有機ELを搭載するSamsung電子製の「OMNIA VISION 940SC」は、AV機能が充実したフルタッチケータイだ。前モデルの「OMNIA POP 931SC」からどこが変わったのか。外観や対応機能、サービスを中心に調べた。
質問:基本スペックの違いは
サイズと重さはいずれも「OMNIA VISION 940SC」の方が、「OMNIA POP 931SC」よりも大きく重い。931SCのボディは女性にも持ちやすいスレンダーな形状だが、940SCはやや大柄だ。幅は931SCの約50.9ミリに対し940SCは約57ミリで、重さは931SCの約111.4グラムに対し940SCは約143グラムで、31.6グラム重くなった。ちなみに「iPhone 3GS」のサイズ/重さは62.1(幅)×115.5(高さ)×12.3(厚さ)ミリ/135グラム。940SCはiPhone 3GSよりは細いが、片手で使用するのは難しい人もいそうだ。
あまり大きくは取り上げられていないが、940SCには1500mAhという大容量バッテリーが採用されており、連続通話時間と連続待受時間が931SCから大きく向上している(931SCのバッテリー容量は960mAh)。バッテリーの持続時間を気にする人には大きなメリットだ。カメラは931SCの515万画素から812万画素に向上。オートフォーカスと手ブレ補正は2機種とも対応している。さらに、940SCのインカメラは931SCではできなかった自分撮りが可能になった。
OMNIA POP 931SC | OMNIA VISION 940SC | |
---|---|---|
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約50.9×111.2×13.1ミリ | 約57×115.9×13.5ミリ |
重さ | 約111.4グラム | 約143グラム |
連続通話時間 | 約259分(3G)、約300分(GSM) | 約400分(3G)、約440分(GSM) |
連続待受時間 | 約400時間(3G)、約422時間(GSM) | 約600時間(3G)、約480時間(GSM) |
メインディスプレイ | 約3.06インチワイドVGA TFT液晶 最大26万色 | 約3.5インチワイドVGA 有機EL 最大1600万色 |
アウトカメラ | 有効515万画素CMOS | 有効812万画素CMOS |
インカメラ | -(TVコールや顔認証は可能) | 有効32万画素CMOS |
内蔵メモリ | 最大150Mバイト | 最大100Mバイト |
外部メモリ(確認済み最大容量) | microSDHC(16Gバイト) | microSDHC(16Gバイト) |
質問:外観やキー配列の違いは
ディスプレイは2機種とも感圧式のタッチパネルを搭載しており、タッチパネルが操作のメイン、物理キーは補助という使い分けになる。ディスプレイ下部に終話/発話キーとクリアキーが配置されているのはどちらも同じだが、キーの形状が変わっている。931SCでは3つのキーがそれぞれ独立しているが、940SCでは直線状に3つのキーが隣接している。940SCのキーは931SCほど突起していないが、押しにくいというほどではない。
また、940SCのステレオスピーカーには、デンマークのオーディオメーカーBang&Olufsen(バングアンドオルフセン)ICEpower社が独自開発したアンプを搭載しており、サウンド面も強化した(931SCのスピーカーはモノラル)。
940SCのサイドキーは、931SCの6つから5つに減っている。931SCが備えている、ワンセグ起動用の独立したキーが940SCではなくなり、ワンセグは受話音量キーの長押しで起動可能になった。このほか、マナーキーとロックキーの位置が931SCと940SCでは逆になっており、931SCから乗り換えた人は操作に戸惑いそうだ。
また、940SCの裏面に搭載されたシアタースタンドを利用すると、本体を机上などに固定でき、ワンセグや動画の視聴に役立つ。このスタンドを傾けると、事前に設定しておいた機能が自動的に起動する。ワンセグのほか、カメラ、ミュージックプレーヤー、TVプレーヤー、Yahoo!ケータイ、PCサイトブラウザなどを設定できる。
質問:対応サービスの違いは
対応サービスは、940SCでは新たに「おサイフケータイ」「S!GPSナビ」「モバイルウィジェット」が利用可能になった。これまでのSamsung電子端末は、ソフトバンクの公式サービスの対応に遅れを取っていたが、利用頻度の高いおサイフケータイとGPSに対応したことで、国産モデルと比べても遜色がなくなったといえる。ただし940SCは、新サービスの「ケータイWi-Fi」はサポートしていないので、次期モデルでの対応に期待したい。
OMNIA POP 931SC | OMNIA VISION 940SC | |
---|---|---|
S!アプリ | ○ | ○ |
世界対応ケータイ | ○ | ○ |
おサイフケータイ | - | ○ |
S!GPSナビ | - | ○ |
PCサイトブラウザ | ○ | ○ |
モバイルウィジェット | - | ○ |
大容量ファイル添付機能 | - | ○ |
ワンセグ(連続視聴時間) | ○(約2.8時間) | ○(約4.9時間) |
ミュージックプレーヤー | ○ | ○ |
Bluetooth | ○(Ver.2.0) | ○(Ver.2.0) |
赤外線通信 | ○(IrMC1.1) | ○(IrMC1.3) |
3Gハイスピード | 上り最大384Kbps、下り最大7.2Mbps | 上り最大1.4Mbps、下り最大7.2Mbps |
質問:ディスプレイの違いは
ディスプレイは931SCの約3.06インチから約3.5インチへと大型化したほか、有機ELを採用したのが大きな特徴。3.5インチの有機ELは、国内のケータイでは940SCが最大サイズだ(2010年1月現在)。有機ELは高コントラスト、高輝度、広視野角、低消費電力などのメリットを持つが、931SCのTFT液晶と比べてどの程度違うのか。同じ画像を表示させてみた。
下記の写真からも分かるとおり、940SCの方が果物が鮮明かつ明るく表示されている。940SCは斜めからも画面が見やすく、有機ELならではの広視野角もしっかり発揮されている。ワンセグを数人で見るといったシーンでも役に立つだろう。
関連キーワード
OMNIA POP 931SC | ソフトバンクモバイル 2009年冬モデル | OMNIA VISION 940SC | OMNIA(オムニア) | ワンセグ | 有機EL | Samsung | ディスプレイ | バッテリー | iPhone | モバイルウィジェット | ソフトバンクモバイル | TFT方式 | 930SC OMNIA | おサイフケータイ | 視野角 | タッチパネル | ケータイWi-Fi | タッチ操作 | ウィジェット | Wi-Fi
関連記事
3.5インチ有機EL搭載、スタンドを備えたタッチケータイ――「OMNIA VISION 940SC」
Samsung電子製の「OMNIA VISION 940SC」はタッチパネル対応の3.5インチ有機ELを搭載したフルタッチケータイ。色鮮やかなディスプレイで写真や映像が楽しめる。「941SH」「940SC」発売――実質負担額は5万2000円台、4万2000円台から
ソフトバンクモバイルのハイエンドモデル「AQUOSケータイ FULLTOUCH 941SH」と「OMNIA VISION 940SC」が発売された。実質負担額は941SHが5万2000円台、940SCが4万2000円台と案内されていた。ポップでコンパクトな女性向け「OMNIA」――「OMNIA POP 931SC」
全面タッチパネルの「OMNIA 930SC」を、女性向けにアレンジしたのが「OMNIA POP 931SC」。幅は片手で操作しやすい50.9ミリになり、撮った写真に文字やイラストを付加する「お絵かきアニメ」を搭載。楽しく使える機能を用意した。第1回 S!アプリのタッチ操作はどう?――「OMNIA POP 931SC」
ソフトバンクモバイルの2009年夏モデルとして登場したSamsung電子製の「OMNIA POP 931SC」は女性をターゲットとしたモデルだが、「930SC OMNIA」から多くの点が改良されており、タッチケータイとしても注目の1台だ。今回はボディの持ちやすさやキーロック、S!アプリの操作性について調べた。第2回 マルチタスクは利用できる?――「OMNIA POP 931SC」
これまでのSamsung電子端末は、ほかの操作中にWebやメールを利用できる「スイッチバー」を搭載していたが、フルタッチ仕様の「930SC OMNIA」や「OMNIA POP 931SC」はスイッチバーは搭載していない。931SCではスイッチバーの代わりとなるマルチタスクを利用できるのだろうか。コンパクトなタッチパネルケータイ「OMNIA POP 931SC」に新色登場
ソフトバンクモバイルが「OMNIA POP 931SC」の新色、モダンブラックとブライトレッドを発表した。11月28日から販売を開始する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.