嫉妬される「HTC J butterfly」の魅力/“使い勝手”を訴求する富士通/auとSB版iPad miniの料金を検証:石野純也のMobile Eye(11月19日~11月30日)(3/3 ページ)
この2週間は冬モデルの話題が相次いだ。冬モデルの中でも一際高い注目を集めているHTCの「HTC J butterfly」は、KDDIとの協業で生まれた第2弾モデル。このほか、ARROWS Vをはじめとする富士通の新機種と、11月30日に発売されたiPad mini/iPad RetinaディスプレイモデルのWi-Fi+Cellularモデルについても取り上げる。
iPad mini Wi-Fi+Cellular版が発売、料金プランも発表
「iPad Retinaディスプレイモデル(第4世代iPad)」と、7.9インチのディスプレイを搭載した「iPad mini」の、「Wi-Fi+Cellular版」がついに発売された。日本では、KDDIとソフトバンクが取り扱い、両社のLTEにも対応。KDDI版は、現時点でテザリングも利用できる。ソフトバンク版は12月上旬の対応だ。
発売済みのWi-Fi版とハードはほぼ同じだが、通信機能の有無以外に、GPSへの対応や6グラム重くなっている点が主な違い。背面にアンテナと思われる別素材のパーツがはめ込まれているのも、Wi-Fi版との差分と言えるだろう。iPad Retinaディスプレイモデルよりも軽く、コンパクトなため、Wi-Fi+Cellular版へのキャリアの期待も大きい。
KDDIとソフトバンクの両社は、発売前日の29日にiPad用の料金プランを発表。KDDIの月額基本使用料は「LTEフラット for Tab(i)」が5985円で、キャンペーンで525円が割り引かれる格好だ。ここに、インターネット利用料の「LTE NET」が315円かかり、テザリングオプションはキャンペーン適用で無料になる。合計金額は5775円。「auスマートバリュー」か「スマホセット割」のどちらかも併用でき、前者が1480円、後者が980円の割り引きにjなる。フラットプランとは別に、「ゼロスタート定額キャンペーン」のプランも用意。auのスマートフォンとセットで契約すると、料金が0円から4980円の2段階制になる。
ただし、パケット単価は1Kバイトで0.42円のため、すぐに上限に達してしまうと考えておいた方がよさそうだ。3GやLTEで全く利用しない月がある人にはお得だが、そうでなければ通常のプランを選んだ方がいいだろう。また、毎月割はiPad miniが容量を問わず1650円、iPad Retinaディスプレイモデルの16Gバイト版が2240円、32Gバイト版が2170円、64Gバイト版が2110円だが、この割引もあくまで“通信料”に対して発生するものだ。iPad miniおよび、iPad Retinaディスプレイモデルの16Gバイトは「月々の実質負担額が0円」とうたわれているが、ゼロスタート定額キャンペーンの場合、(毎月の通信料が毎月割を下回ると)0円にならないこともあるので注意したい。
対するソフトバンクは、「ベーシックデータ定額プラン for 4G LTE」の基本使用料が5985円。ここにWeb基本使用料が315円かかり、合計は6300円になる。キャンペーン(4G LTE 定額プログラム)で基本使用料が525円割り引かれ、合計金額が5775円になるのもKDDIと同じだ。スマートフォンとのセットで同一名義で契約すると「スマホまとめて割」が受けられ、基本使用料が4410円になるほか、0~4935円で変動する「ゼロから定額プラン」も選択できる。金額は数十円単位でKDDIより安い場合もあるが、ほぼ同じと見てよさそうだ。固定回線とのセット割引である「スマホBB割」や、端末の下取りで料金が割り引かれる「スマホ下取り割」も用意する。
端末購入で発生する月月割はiPad miniが1650円、第4世代iPadが2240円で、どちらのモデルも容量を問わず割引額が同じなのは非常に分かりやすい。モデル、容量によっては一括払いの金額がKDDI安いこともあり、固定回線とのセット割引などを考慮しなければ、ソフトバンクの方がわずかだが安くなるケースが多い。とは言え、iPhone 5のときのように端末の本体価格が容量によって1万円前後異なるというケースもなくなった。auとソフトバンクでここまで横並びの料金なら、自分が普段使っているスマートフォンのキャリアや、ネットワークの質を考えて選べばよい。iPad miniには人気が集中しており、入荷数も少なかったことも相まって現在品切れ状態が続いている。その間に、じっくりプランを考えておくようにしたい。
通常料金 | ||
---|---|---|
KDDI | ソフトバンク | |
基本使用料 | 5985円 | 5985円 |
ネット接続料 | 315円 | 315円 |
テザリング | 0円 | 0円 |
合計 | 6300円 | 6300円 |
キャンペーン適用時 | ||
KDDI | ソフトバンク | |
基本使用料 | 5460円 | 5460円 |
ネット接続料 | 315円 | 315円 |
テザリング | 0円 | 0円 |
合計 | 5775円 | 5775円 |
スマホ併用時 | ||
KDDI | ソフトバンク | |
基本使用料 | 4480円 | 4410円 |
ネット接続料 | 315円 | 315円 |
テザリング | 0円 | 0円 |
合計 | 4795円 | 4725円 |
スマホ併用時の2段階プラン | ||
KDDI | ソフトバンク | |
基本使用料 | 0円~4980円 | 0円~4935円 |
ネット接続料 | 0円 or 315円 | 0円 or 315円 |
Wi-Fiスポット月額量 | 490円 | 490円 |
テザリング | 0円 | 0円 |
合計 | 490円~5785円 | 490円~5740円 |
価格や料金プランの発表が両社ともギリギリになってしまったが、この点はぜひ次回から改めてもらいたい。iPhone 5のときも同様だが、ユーザーを置き去りにした発表スタイルはいかがなものか。全員が全員、ネット上で最新情報を得ているとは限らず、場合によっては、自分が購入する端末や契約する回線の価格がいくらなかのかすら分からず、店頭に出向くことになる。4万円~7万円近い本体価格や毎月数千円の通信費は、決して安い金額ではない。Appleとの調整があったにせよ、両社の対応は非常識と言わざるをえない。
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