アップルが赤いiPhone、新しいiPadを発売へ――ハイエンドとローエンドの2極化路線で、幅広いユーザーを獲得:石川温のスマホ業界新聞
AppleがiPhone 7/7 Plusにスペシャルモデル「(PRODUCT)RED」を追加した。また、iPhone SEはストレージが32GB・128GBにアップグレードし、9.7型iPadが新たに登場した。これらの新製品を通して見えてくるのが、Appleの「二極化」戦略だ。
今週、アップルは新製品を発表した。iPhone 7には新色「PRODUCT Red」を投入。iPhone SEは容量が倍増し、iPadはエントリーモデルがお目見えした。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2017年3月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
すでにPRODUCT Redを触る機会を得たが、金属筐体に映える赤となっており、これまでにはない見た目で、物欲をそそられる仕上げとなっている。
他のメーカーであれば、新色追加など記事にもならないが、アップルは情報の出し方がうまいというか、新色ひとつでも話題になるから不思議だ。
ここ最近、アップルの商品戦略で際立ってきたのが「二極化」だ。
iPhoneを見ても、PRODUCT Redで話題を作りつつ、ユーザー層の拡大が期待できるiPhone SEに関しては、容量を倍増しつつ、32GBモデルでは従来と同じ価格を維持してきた。
また、iPadに関しても、今回はエントリーモデルとしてアップルペンシルは使えないが、3万7800円という、過去にはない値付けを設定している。
先日、J-WAVEの番組にゲスト収録してきたのだが、その番組のスタッフの一人が「新しいiPadが気になる。あんなに安くなったので、購入を検討したい」といっていたのが印象的であった。
エントリーモデルのiPadを発表したばかりだが、アップルは最近になって、iPad ProのテレビCMを流し始めている。「iPad ProでWordが使える」「ウィルスの心配がない」といった内容だ。
iPad Proが気になり、アップルストアや家電量販店に行き、そのまま買って帰る人もいれば、価格を見て断念して、3万7800円の新しいiPadを買って帰る、という人も多そうだ。
iPhoneに関しても、「iPhone 7発売時は割賦払いの途中で買い換えにくかったが、いまは割賦が終わっている。すでにiPhone 7を持っている人にも自慢できるPRODUCT Redを買う」といって高価なiPhone 7を購入する人もいれば、「安いiPhone SEで充分」という人もいるだろう。
ハイエンドで高価なイメージのアップル製品であるが、MacBookなども一時期はかなりお買い得な頃もあったりなど、意外と「手の出しやすい製品」を揃えていたりするのだ。
今回、iPhone SEに関しては、ワイモバイルとUQモバイルが取り扱うようになった。従来通り、ソフトバンクとauでも扱うようだが、某キャリア関係者は「これまでの在庫もあるため、新しいiPhone SEは積極的には売りにくい」と本音を漏らす。
両陣営とも、MNOではiPhone 7が主力商品であり、iPhone SEに関しては、ワイモバイルとUQモバイルが中心となって、1980円で売りまくるという構造になるだろう。
春商戦まっただ中ということもあり、iPhone SEは爆発的に売れる要素を秘めている。ワイモバイルとUQモバイルが売りまくる中、サブブランドを持たないNTTドコモとしても、何らかの対策が必要になってきそうだ。
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