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電話番号からIMEIまで 携帯電話網で使われるさまざまな「ID」MVNOの深イイ話(3/3 ページ)

携帯電話には多くの「番号」が存在します。今回は、携帯電話で使われるさまざまなID(識別番号)を紹介し、それらのIDがどのような意味を持つかご説明します。

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IMEI:携帯電話端末に割り当てられる管理番号

 IMEI(アイ・エム・イー・アイ)は、携帯電話本体の1つにつき1つ割り当てられる管理用の番号です。全世界でユニークな端末のシリアル番号といってもいいかもしれません。携帯電話(スマートフォン)だけでなく、タブレットやSIMカードスロットを備えたノートPC、通信用モジュールなど、携帯電話ネットワークにつながる機能を持つ全ての機器に固有のIMEIが割り当てられています。IMEIを調べることにより、そのIMEIがどの端末の個体であるかを識別できるだけでなく、適切なデータベースを用いることで端末の機種名も分かります。

 IMEIの先頭8桁は携帯電話の機種を表すコードで、「TAC」と呼ばれます。TACから機種を特定するためのデータベースは世の中にいくつかあるようなのですが、最も信頼できるのは、携帯電話会社の業界団体であるGSMA(GSMアソシエーション)が提供している「Device Map」でしょう。ただ、このデータベースは利用料金がかなり高額のため、一般にはあまり知られていないようです。それ以外に流通しているIMEIのデータベースについては、正確性や網羅性に疑問が付くものもあるようです。


iPhoneの設定画面にIMEIとICCIDを確認した時の例。IMEIの先頭8桁35915007は、これがiPhone7(モデルA1779)であることを指す。またICCIDの先頭6桁が898110から始まっていてSIMカードがドコモのものであることが分かる

 皆さんが耳にすることが多いであろうIMEIの使い道は、いわゆる「ネットワーク利用制限」でしょう。これは盗難や端末代金の未払いなどにより不正に略取された端末のIMEIを調べて登録することにより、そのIMEIの端末がネットワークにつながろうとしたときに、それを拒絶する(圏内になれない)機能を指します。

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 ネットワーク利用制限を受けた端末は携帯電話としては使い物になりませんから、中古端末市場での価値も失われ、不正に略取した者が利益を受けることが難しくなります。中古市場ではネットワーク利用制限を受けた端末のことを「赤ロム」などと呼び、一般の中古端末(対して「白ロム」と称されます)と区別しています。

著者プロフィール

佐々木 太志

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ) ネットワーク本部 技術企画室 担当課長

2000年IIJ入社、以来ネットワークサービスの運用、開発、企画に従事。特に2007年にIIJのMVNO事業の立ち上げに参加し、以来法人向け、個人向けMVNOサービスを主に担当する。またIIJmioの公式Twitterアカウント@iijmioの中の人でもある。

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