インテル、「Atom Z600」搭載のAndroid端末やタブレット端末を披露:速くて長持ちする
特長は「低消費電力」と「高速な動作」――。インテルが、携帯端末向けの新しいプロセッサ「Atom Z600」を搭載したスマートフォンやタブレット端末の技術デモを実施した。
インテルが6月8日、コンシューマー向けPC市場への取り組みに関する記者説明会で、同社が小型デバイス向けに発表したプロセッサ「Atom Z600」シリーズを搭載した携帯端末の技術デモを実施した。
インテルのAtomは、スマートフォンやタブレットPC、Netbookなどに使われているプロセッサ。Atom Z600番台のプロセッサは、これまでのAtom Z500番台から50分の1の低消費電力を実現しているのが大きな特長。バッテリーの持続時間は、スタンバイ時で10日以上、音楽再生時で2日以上、インターネット/ビデオ再生時で最大5時間。
動作周波数は、スマートフォン向け製品が最大1.5GHz。タブレット/モバイル機器向け製品が最大1.9GHz。搭載可能なOSはAndroid、Linuxをベースとした携帯端末向け「MeGoo」、同じくLinuxをベースとしたNetbookやタブレットPC向け「Moblin」。なお、Windows phoneはサポートしていない。
Atom Z600シリーズを搭載したタブレット端末として、Moblinを採用したOPEN PEAK製の試作機を展示し、電子書籍や映像のデモを実施していた。同モデルは静電式のタッチパネルを備えており、HD動画(1080×720ピクセル)の撮影と再生が可能。通信はWi-Fiをサポートしているが、WiMAXや3G通信は利用できない。展示されていたのはプロトタイプで、具体的な商用化は未定。
Aava Mobileが開発したAndroid端末も展示し、タッチで操作できる3Dコンテンツを披露したほか、ソフトウェア開発キットを用いたゲームや動画のデモも実施していた。3Dコンテンツ、ゲーム、動画はいずれも高速で動作するのが特長の1つ。また「2D表示も速く、ブラウジングではスムーズなレンダリングが可能になる」(説明員)など、リッチコンテンツ全般での高速な動作が期待される。
Atomプロセッサを搭載したスマートフォンは現在は発売されておらず、Atom Z600シリーズを採用した端末の商品化についても、具体的な採用メーカーやスケジュールは未定。とはいえ、「低消費電力」と「高速動作」は携帯電話(スマートフォン)の満足度を左右する要素なので、今後大きく普及する可能性を秘めていると言える。今回の試作機も含め、どのような製品が登場するのか注目したい。
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