端末の裏面に触れて文字入力――KDDIの「背面入力インタフェース」:CEATEC JAPAN 2010
最近はスマートフォンやタブレット端末をはじめ、QWERTYキーボードを備えた機種が増えてきたが、誤入力することも少なくない。KDDIの「背面入力インタフェース」では、そんな入力の不満を解消することを狙う。
KDDIが展示している「背面入力インターフェース」は、端末の裏面に触れて入力をするという新感覚の操作方法を提案する。スマートフォンを中心に、QWERTYキーボードを搭載する機種が増えているが、キーが小さい、指でキーが隠れてしまうといった理由から、誤操作をすることは少なくない。そこで同社が開発したのが、背面(裏面)から入力をするというインタフェース。
裏面に触れると、画面にカーソルが現れ、自分がどこを触っているのかが視覚的に分かる。裏面をなぞるとカーソル移動も可能だ。ブラウジング中は、リンクを選択するときに役立つ。試作機に使われていたタブレット型の端末は、画面下部にソフトウェアキーボード(QWERTYキーボード)が配されており、裏側に備えられたキーボードに軽く触れると、画面(ソフトウェアキーボード)の同じ場所にカーソルが現れ、キーを押すと文字が入力される。
この入力インタフェースは、赤外線センサーによる実現している。裏側の外周に備えた赤外線ポートを備えており、ここから触れた指の位置を判定する。説明員は「技術的なハードルはすでにクリアしているので、あとはどんなユーザーインタフェースを提供できるかが問題」と話していた。
スマートフォン以外のケータイでも対応可能なので、富士通がCEATECで展示している端末のような、2画面ケータイへの応用も期待される(検討中とのこと)。また、デモ機には本体の裏側にハードキーを搭載していたが、商品化した場合は裏にキーは付けず、平らなボディをタップして入力する作りになる見込み。
片手で持ち、もう一方の手でキー入力やカーソル移動などの操作をするので、両手での使用が前提になるだろう。具体的な商用化は未定だが、現在のタッチ操作を補完する技術として注目したい。
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