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太陽光や風力発電を用いた基地局も――イー・アクセスが震災、電力不足時の対策を発表
イー・アクセスが、今後の災害と電力不足への取り組みを発表。衛星回線や臨時用大容量バッテリーなどを用いてネットワークを強化するほか、自然エネルギーを基地局設備に導入する。
イー・アクセスは5月17日、イー・モバイルとADSLサービスにおいて、今後発生する可能性のある災害と電力不足への対策を発表した。すでに東日本大震災で影響を受けたイー・モバイル通信のエリアはすべて復旧しているが、今後も基地局復旧に向けた対策とネットワークの信頼性を強化するほか、自然エネルギーの導入など、電力不足に関する取り組みなどを行う。2011年度には約20億円、2012年度も同程度の設備投資をする。
イー・モバイルの基地局とネットワーク設備は、地震や津波による直接的な被災に加え、電力と中継回線の不通により、通信サービスの復旧に時間がかかったという。イー・アクセスは、基地局の停電時に給電するため、6時間から24時間の予備電源を確保した。また、震災直後も、通信規制することなく音声ネットワークを震災直後も接続成功率100%で利用できた。
今後は以下の体制と準備を強化し、より迅速に復旧対策を実現するよう努める。
- 移動電源設備と移動基地局を追加配備する。
- 衛星回線通信設備を追加配備する。
- 臨時用大容量バッテリーを配備する。
- 主要基地局に対して無線回線を冗長配備する。
- 防水、水没対策基地局を導入する。
- 大手通信工事会社と優先復旧契約を締結する。
ネットワークの信頼性を強化するため、長距離中継回線やデータセンター、オペレーションを継続的に分散し、基地局やデータセンターのバックアップ設備の増強などを行う。
今夏の電力不足時も、イー・モバイルサービスへの影響を最小限に抑えて省電力化を図るため、既存データセンター設備の配備見直しを含む省電力運用を行うほか、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用した基地局向け電源設備を導入する。
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