Google・ドコモ・Y!mobileから――「Nexus 5X」のベストな買い方を探る6つのポイント
Android 6.0世代のリードデバイス「Nexus 5X」の出荷が始まった。日本では3つの販路がある同機だが、どこから買うのがベストなのか。6つのポイントから、考えてみよう。
LGエレクトロニクス製のAndroidスマートフォン「Nexus 5X」が、いよいよ日本で発売された。Androidの新OS・新機能をいち早く使える「リードデバイス」ということもあり、興味を持っている人も少なくないだろう。ITmediaでも、同機に関する記事を複数掲載している。
- →「Nexus 5X」関連記事(ITmedia Keywords)
Nexus 5Xは、日本ではGoogle直営の「Google ストア」、NTTドコモ、ソフトバンク(Y!mobile)から購入できる。そうなると、「どこで買うのが一番いいの?」という悩みが少なからず生じるだろう。
その悩みを解決すべく、6つの“切り口”からNexus 5Xの購入方法を筆者なりに比較してみることにした。読者の皆さんの悩み解消に役立てば幸いだ。(文章中の価格は、特記のない限り「税別」)
回線契約:Google ストアは不要 ドコモ・Y!mobileは回線契約が必要
Google ストアでは、Nexus 5Xを端末単品で購入する。携帯電話として使う場合は、別途SIMカード(UIMカード・USIMカード)を用意する必要がある。SIMロック(※)はかかっていないので、好きな携帯電話事業者と契約して使おう。もちろん、MVNO(仮想移動体通信事業者)の「格安SIM」でも大丈夫だ。
※SIMロック:特定の通信事業者のSIMカードを使わないと通信できないようにすること。これがかかっていない状態は「SIM(ロック)フリー」という
一方、ドコモとY!mobileが販売するNexus 5Xは、それぞれのキャリアの回線契約者に対して販売する。また、SIMロックをかけた状態で販売されるので、ほかのキャリアのSIMカードを使うことができない(※)。ただし、ドコモでは購入から6カ月(条件次第で最短当日)、Y!mobileでは購入から180日経過した日からSIMロックを解除することができる。一度SIMロックを解除すれば、Google ストアのものと同様に、好きな携帯電話事業者のSIMカードを使えるようになる。
※ドコモ回線を利用するMVNOサービスでは、ドコモが販売したNexus 5Xを特段の手続きなく利用できる
ストレージ容量・ボディカラー:ドコモは一部取り扱いなし
Nexus 5Xの本体ストレージは、16Gバイトと32Gバイトの2種類から、ボディカラーは、カーボン(ブラック)、クオーツ(ホワイト)、アイス(水色)の3色から選ぶことができる。
Google ストアとY!mobileは、全容量・全色を取り扱うが、ドコモは32Gバイトのカーボン・クオーツのみ取り扱う。アイスの本体が欲しい人、あるいはストレージ容量があまり必要ない人は、Google ストアかY!mobileで購入するしかない。
なお、ストレージ容量については、購入前に慎重に検討したい。というのも、Nexus 5XにはmicroSDスロットがないためだ。16Gバイトモデルは、使い方によっては容量をすぐに使い切ってしまう可能性もある。容量の大きいアプリや、データを大量にため込むアプリを使っている人は、32Gバイトモデルにするとより安心だろう。
容量・カラー | Google ストア | ドコモ | Y!mobile |
---|---|---|---|
16Gバイト・カーボン | ○ | × | ○ |
16Gバイト・クオーツ | ○ | × | ○ |
16Gバイト・アイス | ○ | × | ○ |
32Gバイト・カーボン | ○ | ○ | ○ |
32Gバイト・クオーツ | ○ | ○ | ○ |
32Gバイト・アイス | ○ | × | ○ |
販売価格:Google ストアが安い まとまったお金がないならキャリアから
Nexus 5Xは、購入方法によって販売価格が異なる。Nexus 5Xをとにかく安く買いたいのなら、Google ストアでの購入がおすすめだ。ただし、購入にはクレジットカード、デビットカード(Visa/JCB)またはプリペイドカード(Visa/MasterCard)が必要となる。
一方、ドコモやY!mobileは、Google ストアと比べるとかなり割高だ。しかし、ドコモは12回または24回、Y!mobileは24回の分割払い(割賦)で購入できる(※)。また、月額料金の割引サービスもある(詳しくは後述)。手持ち資金が少なくてもNexus 5Xが欲しい人、あるいは月額料金割引に魅力を感じる人はドコモかY!mobileで購入することも現実的な選択肢となるだろう。
なお、ドコモでは11月30日までに購入すると「Nexus 5X スタートキャンペーン」が適用され、本体価格が1万800円引きとなる。
※Google ストアで購入した場合でも、クレジットカードによっては後から分割払いやリボ払いに変更できる。ただし、金利がかかるので注意しよう
容量 | Google ストア | ドコモ(キャンペーン非適用) | ドコモ(キャンペーン適用) | Y!mobile |
---|---|---|---|---|
16Gバイト | 5万9300円 | − | − | 7万5168円 (24回払い:3132円/月) |
32Gバイト | 6万3400円 | 9万3312円 (12回払い:7776円/月) (24回払い:3888円/月) |
8万2512円 (12回払い:6876円/月) (24回払い:3438円/月) |
8万352円 (24回払い:3348円/月) |
ドコモ・Y!mobileの価格は、直営オンラインショップのもの |
月額料金の割引:キャリア経由で買う一番のメリット
先述のとおり、ドコモとY!mobileでは回線契約者にNexus 5Xを販売する。その“恩恵”として、それぞれのキャリアの月額料金の割引を24カ月(2年)にわたって受けることができる。
ドコモの「月々サポート」では、新規・MNP(携帯電話番号ポータビリティ)・機種(契約)変更のいずれも対象となる。特に、継続して10年以上利用している場合は、割引額が増えてお得度が増す。
一方、Y!mobileの「月額割引」は、MNP(※1)と一部の機種(契約)変更(※2)が対象で、ドコモと比べると割引の適用外となるケースが多い。
※1 「Disney Mobile on SoftBank」からのMNPと、ソフトバンクブランドからの番号移行も対象。ただし、これらのケースでは、基本使用料を24カ月間割り引く「スマホプラン割引」は適用対象外となる
※2 対象外機種:Nexus 5、ARROWS S、AQUOS CRYSTAL Y、DIGNO C、Spray、Nexus 6、DIGNO T
Nexusデバイスは、発売からOSのバージョンアップは2年間、セキュリティパッチは3年間(またはGoogle ストアでの販売終了日から180日)に渡って提供が保証されている。Nexus 5Xは、割引をしっかり受けて2年使いきる上で最適なデバイスである。2年間使うと固く決めているなら、条件次第ではキャリアから買った方がより安上がりになる可能性もあるのだ。
回線の利用期間 | 割引額 | 実質価格(スタートキャンペーン適用時) |
---|---|---|
10年未満 | 4万8600円(2025円/月×24回) | 3万3912円 |
10年以上 | 5万8968円(2457円/月×24回) | 2万3544円 |
月々サポートは、「カケホーダイ&パケあえる」への加入が必要 |
契約プラン | 割引額 | 実質価格(16Gバイト) | 実質価格(32Gバイト) |
---|---|---|---|
スマホプランS | 2万5920円(1080円×24回) | 4万9248円 | 5万4432円 |
スマホプランM | 3万8880円(1620円×24回) | 3万6288円 | 4万1472円 |
スマホプランL | 6万4800円(2700円×24回) | 1万368円 | 1万5552円 |
月額割引は、MNPと一部を除く機種変更が対象。この表では「スマホプラン割引」は考慮していない(2年間利用で合計2万5920円引き) |
故障時の対応:「より安心」が必要ならドコモ・Y!mobile
端末の不具合・故障時の修理対応についても触れておきたい。
Google ストアで購入したNexus 5Xは、LGエレクトロニクスが修理対応を行う。修理が必要になった場合は、「LGモバイルお客様ご相談センター」での電話対応となる。ただし、土・日・祝日・年末年始は受け付けていないので注意しよう。
- →お問い合わせ窓口(LGエレクトロニクス)
ドコモ・Y!mobileから購入したNexus 5は、それぞれのキャリアが修理対応を行う。ドコモの場合はドコモショップ、ドコモサービスセンター、オンライン修理受付サービスのいずれかで修理受付をする。Y!mobileの場合は、ワイモバイルショップとワイモバイル カスタマーセンター(電話窓口)で修理受付をする。
キャリアの修理対応は、ショップに行けば直接店員に対応してもらえること、必要があれば代替機を無料で借りられることが大きなメリットだ。不具合が軽微なものである場合、店員の対応によって修理に出さずに解決することもある。対面で応対してもらえる、ということは安心材料だ。
また、キャリアで購入すると、端末補償サービスを付けられることも、大きなメリットだ。ドコモの「ケータイ補償サービス」(月額500円、購入から14日以内に申し込みが必要)では、端末の故障・盗難・紛失時に、届け出から1〜2日で交換電話機(リフレッシュ品)を受け取ることができる。1年に2回まで利用可能で、負担金は1回7500円となる。ただし、他のAndroidスマホと異なり、「修理代金サポート」や「ケータイ電話復旧サービス」の割引は受けられないので注意しよう。
Y!mobileの「故障安心パックプラス」(月額690円、購入時に申し込む必要あり)では、故障時の修理代金の割引や、盗難・紛失時の端末購入代金の軽減などが受けられる。一部、1回利用すると6カ月間利用できない補償サービスもある。
もしも、端末の破損や盗難・紛失が不安な場合は、キャリアで補償サービス付きで購入することも視野に入れてもいいだろう。
購入特典:Google Play ミュージックが90日間無料 ドコモは追加特典あり
Nexus 5Xを購入すると、「Google Play ミュージック」を90日間無料で使える特典が全員にプレゼントされる。購入方法は問わないが、過去にGoogle Play ミュージックの無料体験(30日間)、あるいは有料利用(月額980円、税込)をしたことがあるGoogleアカウントは、この特典の対象外となる。詳しくは、特典の規約を確認してほしい。
ドコモで購入した人には、VRゴーグル「Google Cardboard」の全員プレゼント(店頭在庫が終わり次第終了)と、Google Playクーポン5000円分プレゼント(先着1万名限定、特設サイトでの申し込みが必要)の特典も追加で用意されている。
まとめ
- 端末単品購入希望なら「Google ストア」
- 16Gバイトストレージモデル、あるいはアイス色の本体が欲しいなら「Google ストア」か「Y!mobile」
- とにかく本体代金を安く済ませたいなら「Google ストア」
- 2年間確実に使うのであれば「ドコモ」や「Y!mobile」(一部例外あり)で買った方が安い(特に、Y!mobileの「スマホプランL」において「スマホプラン割引」と「月額割引」を併用できる場合は、割引額が9万720円と大きい)
- 分割払いで購入するなら「ドコモ」か「Y!mobile」がお勧め
- 端末サポートや補償が必要なら「ドコモ」か「Y!mobile」で購入
- Google CardboardやGoogle Playクーポンが欲しいなら「ドコモ」で購入
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