2015年の世界スマートフォン出荷、Windows端末不調もあり初の1桁成長に──IDC予測:調査リポート
調査会社IDCが発表した2015年通年の世界スマートフォン出荷台数予測によると、出荷台数の前年比伸び率が調査開始以来初めて1桁台になる。IDCはWindows Phoneは向こう数年間はシェアを伸ばせないと予測する。
米調査会社IDCによると、2015年通年の世界スマートフォン出荷台数の伸び率は前年比9.8%と、同社が調査を開始して以来初めて1桁台に留まるという。IDCが12月3日(現地時間)に予測を発表した。
総出荷台数は14億3000万台。同社は8月に前年比10.4%増という予測を発表したが、日本を除くアジア太平洋地域、中南米、西欧での予想以上の減速やWindows搭載端末(IDCは「Windows Phone」と表記)の不調を理由に下方修正した。2014年の伸び率は前年比27.7%増だった。
ここ数年急成長してきた中国市場が成熟し、今後数年間の伸び率は1桁になるという。
Windows Phoneの出荷台数は、2014年の3490万台から10.2%減となる見込み。OS別市場シェアは前年より0.5ポイント減の2.2%という。出荷減速の主な原因はOEMによる支援欠如とIDCは指摘する。Microsoftは10月に「Windows 10 Mobile」をリリースし、現在米国などでオリジナルのWindows 10端末(「Lumia 950」および「Lumia 950 XL」)を販売している。
IDCは、Windows Phoneの伸び率は2016年も減少し、今後数年間はシェアが伸びる見込みはないとしている。2019年の予測シェアは2.3%だ。
Windows Phone以外のOSについては、市場シェアのトップはAndroidで、前年比0.3ポイント減(ほぼ横ばい)の81.2%。中国のCyanogenやXiaomiなどによる独自ROMの拡大が今後も続き、Androidの圧倒的な市場シェアは当面安泰とIDCは予測する。
米AppleのiOSのシェアは1ポイント増の15.8%。出荷台数の伸び率は17.3%と2桁台だ。同社にとっての向こう2〜3年の課題は、新興国市場で販売する中古iPhoneの在庫超過とIDCは指摘する。Appleは2015年、1年ごとに新しいiPhoneに買い換えられるプログラム「iPhone Upgrade Program」を米国で立ち上げた。
順位 | OS名 | 2015年出荷台数 | 2015年市場シェア(%) | 2015年出荷伸び率 | 2019年出荷台数 | 2019年市場シェア(%) | 2019年出荷伸び率 | 向こう5年間の複合年間成長率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Android | 1,161.1 | 81.2 | 9.5 | 1,538.1 | 82.6 | 4.8 | 7.7 |
2 | iOS | 226.0 | 15.8 | 17.3 | 263.4 | 14.1 | 3.1 | 6.5 |
3 | Windows Phone | 31.3 | 2.2 | -10.2 | 43.6 | 2.3 | 11.4 | 4.5 |
その他 | 11.3 | 0.8 | -16.8 | 17.1 | 0.9 | 6.5 | 4.7 | |
合計 | 1,429.8 | 100.0 | 9.8 | 1,862.3 | 100.0 | 4.7 | 7.4 | |
(資料:IDC) |
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