「指紋」vs「虹彩」――「arrows」の生体認証、どっちの方が便利?:どっちの認ショー(2/2 ページ)
富士通の携帯電話といえば、生体認証。2015年冬のarrowsは「指紋」と「虹彩」の2種類の認証を用意しているが、どちらの方が便利なのか。「arrowsジャーナリスト」(他称)が検証する。
シーン別! どっちの認証が強い?
生体情報の登録段階では指紋認証が、ロック解除段階ではIris Passportがそれぞれ有利であることが分かった。では、日常生活の中で使う場合、どちらの認証の方が便利なのだろうか。シーン別に比べてみよう。
キッチン・浴室:虹彩認証の圧勝
arrowsスマホは、防水性能(と、一部機種で防じん性能)を備えている。そのため、キッチンや浴室に持ち込んでレシピを見たり、音楽や動画を楽しんだりする、という使い方もできる。F-01H・F-02Hを含めて、最近のarrowsスマホは富士通独自に「お風呂防水(高湿度下での利用)」の検証を行っているので、より安心して使える。
問題は、このような水気のある場所で生体認証を使えるのかどうかだ。指紋センサーや虹彩認証ユニット(赤外線カメラと赤外線ライト)がぬれる上、指紋認証で使う指も場合によっては汚れてしまったりふやけてしまったりする。このような状態で認証できるのだろうか。
F-01Hの指紋センサーについては、センサー周囲の水気を切って柔らかい布で拭けば問題なく使えるようになる。しかし、これは別に水気のある場所に限ったことではないが、指が汚れていたりふやけていたりすると、センサーが指紋を正確に読み取れず、認証を通過することができない。指を洗ったり、ある程度乾くまで待つしかない。
F-02HのIris Passportについては、虹彩認証ユニットと近接センサー周囲の水気を切って柔らかい布で拭けば問題なく使える。また、認証には“目”を使うため、指の汚れやふやけを気にせずに見つめるだけで認証できる。水気のある場所でも、簡単に認証できてしまうのだ。
ということで、キッチンや浴室で使う場合はIris Passportが圧倒的に有利である。
冬の寒い場所:また虹彩認証の圧勝
12月も半分が過ぎ、だんだんと冷え込みが厳しくなってきた。そうすると、通勤・通学時に手袋をする人もいるだろう。2014年冬モデルの「ARROWS NX F-02G」以降の機種には「手袋タッチ」機能が搭載され、スマホ用ではない手袋でもある程度、タッチ操作ができるようになった。
通常の画面操作をする認証は、手袋タッチモードでもできる。しかし、生体認証はどうだろうか。
F-01Hの指紋認証は、指紋を直接読み取れないため手袋と併用できない。どうしても指紋認証で、という場合は手袋をいったん外す必要がある。
一方、F-02HのIris Passportは“目”を使うので手袋をしていても問題なく認証できる。この勝負も、Iris Passportの圧勝だ。
真夏の炎天下:指紋認証が大勝利
ここまで見ると、Iris Passportの方が認証方法として有利なのではないか、と思うかもしれない。しかし、Iris Passportにも“弱点”がある。それは、「明るすぎる場所」だ。
F-02HのIris Passportは、本体の赤外線ライトが目を照らし、それを赤外線カメラが捉えて登録済みの虹彩と照合して認証を行う仕組みとなっている。その原理上、赤外線を含め、さまざまな光線が飛び交う場所では認証がうまく行かない可能性が高くなる。
例えば、真夏(8月あたり)の炎天下の日なたでは、どんなに目をグワッと見開いても認証に通ることはほぼないだろう(もっとも、目はそこまで見開かなくてもよい)。日陰を探すか、目の周りを手で覆うなどの対策が必要だ。なお、赤外線を遮るサングラス(メガネ)をしていると、これまた認証できないので注意しよう(普通のメガネなら問題ない)。
その点、F-01Hの指紋センサーは、天気に関係なくしっかりと認証できる。この点で、指紋認証は強い。
まとめ:Iris Passportの勝ち でも、正直両方欲しい
2015年冬のドコモ向けarrowsの生体認証を使い比べてみると、指紋認証と虹彩認証、どちらも一長一短あって「指紋認証と虹彩認証、どっちがいいの?」という問いには、正直答えに窮してしまうのが正直な気持ちだ。
「絶対にひとつに絞ってほしい」となった場合は、個人的にはF-02HのIris Passportの方を推す。ひとえに、認証が速くて風呂場でも使えるから、という点が筆者には非常にピッタリだからである。
可能なことなら、指紋センサーと虹彩認証ユニットを両方搭載して「いつでも最強! 生体認証スマホならarrows!」という方向性を追求してほしい……と思っているのだが、端末の価格が大幅に上がりそうなので、大手を振って要望できない……。
筆者的にはIris Passportをお勧めする、という結論となったが、指紋と虹彩、どちらの方がピッタリかは人によって異なるのも事実だ。指紋が薄い人は指紋認証に通りにくいし、目が細めの人は虹彩認証に通りにくい。生体認証に興味はあるけれど、どちらの方がピッタリか分からない、という人は、近所のドコモショップや家電量販店などにある実機で試してみるといいだろう。特に、F-02Hについては、Iris Passportを体験するとLINEのギフトコードがその場の抽選で当たるキャンペーンを2016年1月31日まで実施している。この機会に、足を運んで使い比べてみてはどうだろうか。
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