デザイン、カメラ、オーディオ、そしてパフォーマンスも10点満点を目指したフラグシップスマホ「HTC 10」:ITライフch
HTC NIPPONがau 2016年夏モデルとして発売するフラグシップスマホ「HTC 10 HTV32」。HTC NIPPON 代表取締役社長の玉野浩氏が、製品名に込めた思いや、キーポイントを解説した。
HTC NIPPONは1日、「2016年度フラグシップスマートフォンに関する記者発表会」を開催し、国内ではau 2016年夏モデルとして発売するフラグシップスマートフォン「HTC 10 HTV32」のキーポイントをHTC NIPPON 代表取締役社長の玉野浩氏が解説しました。
玉野氏はまず、製品名についた数字の”10”について「10という言葉には10点満点という言葉がありますように、全てにおいて満点が取れるような端末を開発したいという思いがある」と説明しました。一方で、こうしたプレミアムのある製品をお買い得な価格で提供するという点もその満点ポイントの一つ。
HTC 10のメタルボディは、最新の加工技術を使ったシャープなエッジが際立つ仕上げに加え、宝飾品のような高級感のある大胆なカットが見所です。さらに最薄部3mmの側面には鏡面加工、背面にはマット加工を施すことでコントラストが際立つようデザインされています。
カラー展開はグローバル版ではシルバーがありましたが、日本向けにはこのシルバーから「カメリア レッド」に置き換わっています。これは各国のマーケットおよびキャリアに合わせた戦略なのだそうで、日本市場にはこのレッドを含む「カーボン グレー」、「トパーズ ゴールド」の3色となります。なお、レッドは世界でも日本が最初に発売となるとのことで、より一層特別なカラーであるように感じました。購入時のカラー選択には是非その点も考慮してみてはいかがでしょうか。
ディスプレイのガラス面とメタルのボディの繋ぎの部分にも「2.5Dガラスを採用するとともに、ボディとの繋ぎ目が見えないスマートボディーに仕上げた」と細やかな部分へのこだわりも解説。
ナビゲーションキーはタッチセンサー式の物理キーとし、ホームキーには反応速度が0.2秒と速い指紋センサーを搭載。スリープ・ロック解除にはパワーキーを押さずに、ホームキーに触れるだけの操作によってわずか0.2秒で認証する点をアピールしていました。
HTC 10の使い勝手の部分では、搭載するソフトウェアを見なおし、基本ソフトは重複する「ギャラリー」や「ダイヤル」などを多くのアプリをグーグルとHTC両方から取捨選択することで、ユーザーに分かりやすくしていると説明しました。また、これによってメモリーの無駄も省けるとともに、タッチレスポンスが前機種よりも約50%向上、アプリケーション起動も約2倍高速化しているとのことでした。
充電に関しても、10点満点を目指すためauから販売されるスマートフォンとしは初の急速充電「Quick Charge 3.0」に対応。ボディにはUSB Type-Cコネクタを搭載し、尚かつ急速充電器とUSB Type-Cケーブルも同梱しています。Quick Charge 3.0の急速充電効果について、目安として30分で50%の充電が完了するとのことでした。これは、夜に充電を忘れて朝起きたらバッテリー残量が30%だとしても、朝の支度をしている間に十分な充電が可能となるイメージですね。
カメラは、画素数を追うのではなく画素数を抑えて大きな素子を使うことでノイズが少なく多くの光を取り込めるようにしています。レンズは光学式手ブレ補正付きのF1.8の明るいものを搭載。さらに、インカメラにも世界初の光学式手ブレ補正を搭載し、セルフィーの手ブレもしっかりと補正する心強いカメラです。
さらに、プロセッサの性能向上により、カメラの起動やフォーカススピードも速くなり、UI(ユーザーインターフェイス)の見直しもあって、全般的にカメラの使い勝手が良くなっています。
HTC 10のカメラ機能の強化ポイントは静止画だけではありません。動画にも新しい試みが成されていました。高解像度の4K(3840×2160ドット)での撮影にあわせて、音はハイレゾ(192KHz/24bit)で記録することが可能となりました。高精細な映像と高音質な音で撮影できるとあって、この機能もなかなか興味深いものです。ハイレゾ録音が可能な動画モードは4Kの他に、FHD(1920×1080ドット)、HD(1280×720ドット)でも可能です。
カメラ機能としてハイレゾで録音できるとあれば、もちろん音楽再生にもハイレゾに対するHTCらしいこだわりがあります。一番分かりやすい点では、試供品のマイク付きイヤフォンが、なんと再生周波数レンジの広い「ハイレゾ対応」のものが付属します。一般的な試供品のイヤフォンとは別次元のオーディオ再生能力を持つイヤフォンです。
そして、本体にはQualcomm製のDAC(デジタルアナログコンバーター)からのアナログオーディオに対して、イヤフォン端子の前段に新しいオーディオアンプを搭載するこだわりをみせています。単体で40,000Hzまでフラットにオーディオを再生するHTC 10は、日本オーディオ協会の「ハイレゾマーク」を取得するに至っているそうです。また、付属のイヤフォンも同様に日本オーディオ協会のお墨付となるハイクオリティーなものとのことでした。
音に対する作り込みはこれだけではありません。個人が感じる音の聞こえ方の違いも考慮し、「パーソナルオーディオプロファイル」を搭載しています。この機能は、周波数帯によって聴こえる音と聴きにくい音などの個人差を、パーソナルオーディオプロファイルを使ってチューニングするというもので、これによって付属イヤフォンの性能をフルに発揮することができるようになります。
本体のスピーカーは、上部には高音を再生するツイーター、下面には低音を再生するウーファーの役割を持たせ、上質な音楽再生ができるよう仕上げられています。音楽配信サービスを利用する際に、HTC 10単体で高音質スピーカーとして利用できるというわけです。これならアウトドアでも高音質スピーカーとして音楽を楽しむことができそうですね。なお、HTC 10は、防水には非対応ですがIP5Xの防塵性能をもっています。
最後に、スマートフォンの使い勝手を左右するとも言うべきホーム画面には、HTC独自の「SENSE UI」を引き続き採用。今回は新たな試みとして「フリースタイルレイアウト」を搭載しています。これまでのホーム画面は、グリッドに沿ったアイコン配列となっていましたが、フリースタイルレイアウトはその名の通り、アイコンをドット単位で自由に配置することができます。サンプルのテーマでは、背景とアイコンを一つの絵としてデザインしたもので、他にはない個性がありました。よく使うアイコンは大きな絵にするなど、遊び心だけではなく使いやすさにも貢献しそうです。
今回、紹介しきれなかった製品の詳しいスペックや製品写真については、au発表会レポートも参照ください。
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