MVNOと消費者保護ルール:MVNOの深イイ話(3/3 ページ)
改正された電気通信事業法が施行されて、約1年がたちました。電気通信事業法の消費者保護ルールがMVNOにはどのように適用されているか、MVNOにとっての今後の課題は何か、皆さんにお伝えしようと思います。
MVNO業界の取り組み
ユーザーの増加を上回るペースで苦情の増えているMVNOですが、独立行政法人国民生活センターから、「こんなはずじゃなかったのに!"格安スマホ"のトラブル -料金だけでなく、サービス内容や手続き方法も確認しましょう-」という報道発表が2017年4月13日に行われました。
この発表には、相談の急増に関する状況だけでなく、主な相談事例や、より丁寧な説明などの消費者啓発を求める業界団体への要望も含まれています。
この報道発表に関連して、MVNOの業界団体である一般社団法人テレコムサービス協会MVNO委員会も、「MVNOサービスの利用を考えている方へのご注意とアドバイス」を4月21日発表しました。この文書に基づき、MVNO各社の中でも消費者への独自の注意喚起を自社のWebサイトに掲載する事業者が相次ぎました。
- インターネットイニシアティブ:「IIJmio」
- NTTコミュニケーションズ:「OCN モバイル ONE」
- ケイ・オプティコム:「mineo」「日経電子版+SIM」
- ソニーネットワークコミュニケーションズ:「nuroモバイル」
- ニフティ:「NifMo」
- ビッグローブ:「BIGLOBE LTE・3G」
- LINEモバイル:「LINEモバイル」
(MVNO委員会による情報開示より)
このような取り組みが必要なこと自体は、決して自慢できることではありません。ただ、消費生活センターなどの相談窓口からの提言に対し、業界を挙げて速やかに行動することで、より消費者のMVNOサービスの理解を高めていくことは、今後のMVNO業界の健全な発展のためには非常に重要なことであり、(筆者もメンバーの1人である)MVNO委員会でも今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。
また、最終的に消費者への説明を担っていくのはそれぞれのMVNO各社であり、その代理店(店舗)となります。業界団体が笛を吹けど踊らず、とならないよう、加盟各社による一層の取り組みも期待されています。
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