小寺信良
ハンディ&ハイエンド、「DR.DAC2」の素敵(2/3 ページ)
DR.DAC2のDACは、Texas Instruments(TI)の「PCM 1798」というICを採用している。TIというとなーんかありがたみがない感じだが、「Burr-Brown」というブランドは聞いたことがあるかもしれない(編中:TIは2000年にBurr-Brown社を買収しているが、ブランドは残している)。DACやオペアンプの世界では、高級ブランドである。あまりスペックを並び立てても意味がないかもしれないが、最高で24bit/192kHzまで対応するというあたりから見ても、その能力の高さがわかるだろう。
対応するデジタル入力は、S/PDIFとUSBだ。CDプレーヤーなどはS/PDIF直結ということになる。USBはPC接続用だ。以前、PCではASIOドライバなどを使わないとサンプリング16bit/48kHz以上を出せなかったが、Intel HD Audio対応の最近のマシンは、32bit/192kHzまで、標準ドライバで対応できるようになった。
そうなのだ。DR.DAC2は、専用ドライバなどを入れる必要もなく、ただUSB接続するだけで使用できる。これはMacでも同じで、ただ接続するだけで自動認識する。余計なものをシステムに入れずにすぐ効果が出せるというのは、PCに詳しい人ほどメリットがあると感じられるだろう。
まずはヘッドフォンアンプとして、PC内の音源を聴いてみた。組み合わせたヘッドフォンはソニーの高級機「MDR-SA5000」だ。ソースはNapsterからダウンロードしたWMA 192kbpsの圧縮音源だが、PCのヘッドフォン端子からとは比べものにならないクリアなサウンドが飛び出してきた。
すぐにわかるのが、ダイナミックレンジの広さである。ピークがつぶれずに鋭く立ち上がるサウンドに、このヘッドフォンにはこれほどまでに潜在能力があったのかと再発見した。持っているヘッドフォンの価値が、2倍3倍に跳ね上がる感じだ。
またステレオセパレーションの良さは、さすが入念に設計されただけのことはある。セパレーションもいいが、センターに位置するベースなど、にじみがなく芯の太い低音がストレートに飛んでくるのもいい。
ハイエンドオーディオというと、SACDとかDVD Audioといったソースがないと、という意見もあるだろうが、音楽CDや圧縮音源であっても、いいDACを使えばそれだけ音質の向上が見込める。ちょっと気の利いたヘッドフォン1つあれば、PCと組み合わせて立派なオーディオシステムができあがるというのは、DR.DAC2のおもしろさだろう。
改造も楽しめる
DR.DAC2は、ヘッドフォン以外にライン出力も可能だ。したがってパワーアンプに接続すれば、スピーカーでもDACの威力を堪能することができる。入力ソースもS/PDIFにUSB、さらにアナログ入力も1系統あるので、PCの周りに転がっているさまざまな音源をつなぐのに便利だ。
前面のスイッチ群も気の利いた作りだ。入力切り替えはスイッチの組み合わせで行なえるほか、出力もヘッドフォンかラインかを選べる。ラインにした場合、ヘッドフォンの出力はカットされるようになっている。
また、ライン出力時にも前面のボリュームが効くようになっている。多くのデバイスでライン出力は-10dB固定になるものだが、DR.DAC2は音量調節が手元でできるため、デスクサイドに置くプリメインアンプとしても使えて便利だ。
ちょっといいアンプ、あるいはスピーカーを持っている人は、オーディオセットのシステムアップにちょうどいいだろう。
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