分かりにくいけれど面白いモノたち
超簡単に鍵を着脱できるWAVECLIPS「スマートキーリング」 メーカーに聞いた意外な正体は“ばね”(5/5 ページ)
カッコいいパッケージだと売れない?
現在、販売されているのは、外径30mmのリング1個と、外径23.5mmのリング3個がセットになったもので、1980円(税別)でAmazonなどのECサイトを中心に流通している。パッケージを流通先で変えるなど、きちんとビジネスを考えている。
面白いのは、カッコいいパッケージだと店頭ではあまり売れないということ。こういう小さくて、説明が必要な製品は、カッコいいパッケージだと埋もれてしまう。しかし、店頭だと、サンプルを用意して実際に試してもらうことができる。実際に試すと、この製品は強い。
ばね自体の特許は切れているので、誰でも作れるのだけど、使用方法が違うため、このキーリングは特許が取れている。実際、ばねをばねとして使っていないわけで、それはもう新しいモノといって構わないだろう。そのくらい、この発想の転換は面白い。しかも、横から見ると金属製の編目のように見えるデザインも面白い。ただのリングではないことがひと目で分かる。でも、だからこそ、これが何なのかは分かりにくい。
「ギフトショーでブースを出していても、通りがかった人は、パッと見て『知恵の輪?』みたいな感じで通り過ぎるんですよ」と斉藤さん。私もギフトショーで知ったクチだが、最初、通り過ぎようとして、そのリングの形状がカッコよくて足を止めたのだった。
それくらい地味な製品ではあるので、ユーザーからはカラーバリエーションの要望も来る。ただ、ステンレスは塗装が難しい。そこで、300度くらいの熱を加えて、茶色っぽくなったものを「シャンパンゴールド」として製品化、さらに四三酸化鉄皮膜を付けてステンレス表面を黒く見せる「黒染め」という技術を使って、ブラックバージョンも売り出した。小さいアイテムだが、金属加工技術の塊だったりする。
シンプルなリングなのに、使っていて、何となくガジェット感があるのは、こういう様々な技術やアイデアが詰まっていることが感じ取れるからかもしれない。手にしたら、すぐどこかに付けたくなる、そういう魅力があるのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
分かりにくいけれど面白いモノたち
ITから文房具まで幅広く活躍するベテランライター、納富廉邦さんが言語化しづらいけど面白いガジェットやサービスを分かりやすく解説します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
2
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
-
3
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
4
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
5
グッスマに不正アクセス、公式EC閉鎖 会員の住所や注文履歴など漏えいか 再開目処立たず
-
6
ジョーシンへの不正アクセス、最大623万件漏えいか 運転免許証2件・マイナカード1件なども
-
7
野村総研、サイバー攻撃時の「能動的なシステム停止」を支援する新サービス
-
8
タイムズカー流出で顧客らが損害賠償求め運営会社提訴へ サイト開設の弁護士が記者会見
-
9
Xの「いいね」長押しで1ドル送金 マスク氏が“投げ銭”機能を予告
-
10
たばこ休憩なき時代の“一服”をどう取るか 温熱と“聞こえない音”で休む、JT子会社のアイマスクを試す
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR