小寺信良のIT大作戦

カメラとディスプレイ搭載のAIグラス、「Rokid スマートAIグラス」を試してみた(3/5 ページ)

実際何ができるのか

 AIグラスはAIをウェアラブルにするもの、つまりいちいちスマホを取り出さなくてもすぐに使えるものとして開発されているものだ。声をかけてすぐに呼び出せるスマートスピーカーに近いが、モバイルでも使用できるところが強みになる。

 例えば「翻訳」は、外国人のスピーチを聞いたり、コミュニケーションをとる必要がある人には便利な機能だ。スマートフォンでも同様の機能を提供するアプリはあるが、目をスマホに向けていないと使えないのに対し、AIグラスなら相手を見ながら、あるいはプレゼン資料を見ながらでも対訳が得られるところがポイントである。

韓国語のドラマをリアルタイム翻訳させてみた

 「字幕」は「翻訳」と似たような機能だが、翻訳するのではなく、聞き取った言語そのままで文字起こしする。日本語で話せば、その通りの文字が表示されるわけだ。

しゃべっている内容がそのまま文字起こしされる「字幕」機能

 これは話が聞き取りづらいうるさい場所での会話に役に立つだけでなく、難聴などの聴覚障害者にとっては、補聴器に代わる重要な機能だ。

 「テレプロンプター」は、長尺のスピーチやプレゼンを行う際に、グラスに原稿が表示できる。原稿に合わせてしゃべるとその部分がハイライトされ、自動的にスクロールしていく。原稿を読み上げるようなスピーチやプレゼンではなかなか人の心を動かせないが、観客を見ながら話すことで説得力が生まれる。

テレプロンプター起動中の画面

 ナビゲーションは、簡単な地図と音声ガイダンスによって、目的地までサポートしてくれる機能だ。スマホの地図を見ながら歩いている人も多いが、周囲の注意がおろそかになって段差につまづいたり人にぶつかったりする懸念があるところだが、周囲を見ながらでも使えるのが強みだ。

ナビゲーション中の画面

 このように、ビジネスシーンでは結構使いでのある機能が多いと感じる。スマホでも同様のことができるが、いちいちスマホを取り出さなくても、相手を見ながら実行できる。

 これは確かにスマートではあるが、AIを使ってこちらが何かをしているということが相手に認識されないことが問題になるケースも出てくる。

 例えば「会議メモ」という機能は、しゃべっている内容を録音して文字化する機能だが、録音中は特にメガネに録画ランプなどが点灯するわけではないので、無断で録音されていても相手にはわからない。

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ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。

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