小寺信良のIT大作戦

カメラとディスプレイ搭載のAIグラス、「Rokid スマートAIグラス」を試してみた(5/5 ページ)

 AIグラスは、近未来的デバイスとして賞賛されている。だが、全人類がこうしたメガネをかけることが本当に未来の姿なのか。こうした疑問を、7月8日に開催されたRokidの発表会の際に、Rokid グローバル広報・ブランド責任者のBen Liu氏に聞いてみた。

Rokid グローバル広報・ブランド責任者のBen Liu氏

 「創業チームは10年後の人間とAIのインタフェース形態について、長期的に議論しています。現時点でメガネは、人間の感覚器官である目と耳、そしてしゃべる口の3点にアクセスできるもっとも優れた形態であるため、今後5〜10年は主流であり続けると思います。しかし技術の進歩は速く、30年前には現代のスマートフォンの形は想像できなかったように、現時点では次の形態を正確に描くことは難しいです。眼鏡を超える新デバイスの出現の可能性は否定できません。我々は人間とAIのインタフェースを継続的に探索していきます」

 メガネは、視力矯正のためだけでなく、日差しを遮ったり、ファッションアイテムであったりといった、様々な用途で使われている。また素材やデザインにも流行があり、バリエーションも多い。軽量化もかなり進んでいる。

 一方でメガネにAIによる情報端末としての機能がプラスされると、メガネ自体は画一的になる。メガネという存在にAIが相乗りした状態は、メガネが発展したように見えるが、多様性という点では逆行することになる。

 またAIグラスに対して視力矯正レンズを追加する場合、毎回特注のレンズを制作しなければならず、メーカーが違ってしまえば互換性がない。AIグラスを乗り替えるたびに2万円から4万円の追加投資が必要になることが、正解だとは思えない。

 「メガネの次」が発明されるまでは、AI機能は既存のメガネにくっつけるような形態が望まれるようになるのではないだろうか。

 AIグラスは、今この発展途上の時が一番面白いともいえる。かつてのPC、ガラケー、スマホの黎明期を思い出してみると、今経験しておけば先行者利益が得られる可能性はある。

 一方で無邪気に面白い面白いだけでは済まされない、社会問題に巻き込まれる可能性もある。AIグラスに乗るか反るか、ガジェット好きの人の間でも、揺れている。

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