ニューヨーク市、公立校で生成AI利用を1年間禁止 8年生まで約60万人が対象

 米ニューヨーク市は9月2日(現地時間)、公立学校の児童・生徒による生成AIの利用を、今後1年間禁止すると発表した。対象は2歳児(就学前教育)から8年生(13~14歳)まで。約60万人に影響するという。

出典:ニューヨーク市の公式YouTube

 禁止するのは、児童・生徒が直接使う生成AI搭載ソフトウェア全般。併せて、生徒が授業中にPCやタブレットを個別に操作する時間も制限する。2年生以下には原則PCなどの使用を認めず、3~5年生は1日30分以内、6~8年生は同45分以内を推奨。教員が主導して集団で使う場合は認めるという。

 市長のゾーラン・クワメ・マムダニ氏は「子供の学びと成長には、教師や同級生との関係を築き、難しい問題に自力で向き合う過程が必要だ」と説明した。

 一方、高校生は一律禁止の対象としない。代わりに、全高校生にAIリテラシー教育を実施するほか、一部の教室では、承認済みの用途に限って生成AIを試験利用する。リテラシー教育では、AIに依存する前にAIを批判的に考える力を身につけさせるため、全学生を対象とした45分間の授業を年2回実施する。AIの仕組みやデータプライバシー、偏り、リスク、倫理、将来の職業やスキルへの影響などを扱う。

 試験利用は、AIを安全に授業へ取り入れられるかを検証するのが目的。文章読解を支援する「Quill」や数学学習向けの「Edia」など5種類のAIツールを使う。安全性やデータプライバシーの基準を満たし、かつ生徒が主体的に考えることを促す設計であるかを重視して選んだという。利用時間も制限し、Quillは週15分以内、Ediaは同20分以内とする。

 ただし、日常会話や悩み相談の相手として友人や恋人のように振る舞う「AIコンパニオン」型と呼ばれるチャットbotは、全学年で禁止する。

 禁止期間中は、児童・生徒や教員、専門家などで構成する検証のための組織を設置。8年生までのAI利用禁止と高校での試験導入が教育に与える影響を検証し、次年度以降の方針をまとめるという。

 一方、教員は、安全基準を満たしたAIを授業計画の作成や事務作業に引き続き利用できる。障害のある児童・生徒向けの支援技術や、多言語学習者、コンピュータ科学などの職業教育も、禁止措置の例外とする。

ニューヨーク市の公式YouTube
印刷する
SNSでシェア
SpecialPR

この記事の著者

関連記事

こんなメディアも見られています

ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

メールマガジンを配信中
メールマガジンを配信中

国内外の業界動向、AIやクラウドなどの最新技術、キャリア情報など今知りたい情報をまとめてお届けします。

いますぐご登録

本日の新着記事

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

ITmedia NEWS SNS

X @itmedia_newsをフォロー

インフォメーション

ITmediaNEWSをフォロー

あなたにおすすめの記事PR