AWS、日米結ぶ新たな太平洋海底ケーブル「Sta'O'Nuk」発表 420Tbpsで2029年に稼働へ

この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「AWS、新たな太平洋海底ケーブル「Sta'O'Nuk」発表。420Tbps、2029年に稼働へ。集中リスク排除のため新たな陸揚げ拠点を採用」(2026年9月3日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。

 米Amazon Web Services(AWS)は、日本と米国を結ぶ新たな海底ケーブル「Sta'O'Nuk」を発表しました。2029年に稼働開始予定です。

 海底ケーブルは20ペアの光ファイバーで構成され、420Tbpsの帯域を提供します。

 通信内容はレイヤー1で量子暗号化、レイヤー2でMACsec暗号化、レイヤー4でTLS/SSLまたはQUICプロトコルが利用されるなど、多層的な暗号化により保護されます。

集中リスク排除により新たな陸揚げ拠点を採用

 Sta'O'Nukの大きな特徴として、日本と米国のそれぞれの海底ケーブルの陸揚げ拠点として、新たな場所が予定されている点があります。

 日本と米国の間の海底ケーブルは25本から30本程度存在しますが、その多くは米国ではカリフォルニア州もしくはオレゴン州の沿岸、日本では千葉県もしくは三重県志摩半島沿岸に集中しているとされています。

 しかし海底ケーブルの陸揚げ局が地理的に集中していると、地震のような自然災害や船舶の事故による損傷や漁業との干渉、地政学的緊張などのリスクに対して脆弱になります。

 そのため、Sta'O'Nukはこれまでの陸揚げ拠点ではなく、米国側はワシントン州の新しい陸揚げ拠点、日本側は多様な陸揚げ拠点を利用するとしています。

 それぞれの陸揚げ拠点では水平方向掘削を用いることで浅い海底から海岸の下を通るようにケーブルを敷設し、物理層を複数の経路で構成することで単一障害点を減らし、陸揚げ拠点では限られた人員のみが立ち入れるようにします。

 ちなみに今回発表された海底ケーブルの名称「Sta’O’Nuk」は、このプロジェクトが米国側の陸揚げ拠点となるワシントン州沿岸において米国政府が公認するアメリカ先住民の主権国家「Quinault Indian Nation」の協力の下で実現されていることから、先住民の文化的かつ言語的意義をプロジェクトに反映するために、先住民の言葉で「稲妻の蛇」という意味の言葉が使われたとのことです。

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