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“ぼっちな生まれ”より“ぼっちな育ち”の方が他者と関わるのが苦手? 京大がオタマジャクシの社会性を実験

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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2

 京都大学大学院の長谷和子さんが国際学術誌「AnimalCognition」で発表した論文「Social isolation, rather than kinship, influences association behavior in toad tadpoles (Bufo formosus)」は、オタマジャクシの社会性は生まれつきの血縁関係よりも、幼少期に仲間と過ごした経験によって育まれることが明らかになった研究報告だ。

群がるオタマジャクシ(プレスリリースより引用

 動物が群れをつくることは、天敵から身を守り、効率よく餌を探す上で重要な役割を果たす。これまで多くの両生類の幼生では、兄弟を認識して行動を共にする現象が知られていたが、その社会性が生まれつきの能力なのか、それとも育った環境によるものかは十分に解明されていなかった。

 この研究では、アズマヒキガエルのオタマジャクシを「20匹の仲間(兄弟)と一緒に育てる条件」(集団飼育)と「1匹単独で育てる条件」(単独飼育)に分け、さらに自然の微生物を含む「池の水」と「水道水」という異なる環境を組み合わせて飼育した。その後、水槽内に兄弟と非兄弟を配置し、試験個体がどこに長く滞在するかを60分間観察する実験を行った。

 その結果、飼育環境に関わらず、兄弟を優先して選ぶような血縁認識の行動は確認されず、水環境の違いによる影響も見られなかった。一方で、1匹だけで育ったオタマジャクシは、相手が兄弟かどうかにかかわらず他者への接近が減少し、誰もいない中立の場所に長く滞在する傾向を示した。 

研究の概要(プレスリリースより引用
水槽内の3領域(兄弟側・中立ゾーン・他人側)における試験個体の滞在時間割合(プレスリリースより引用

 この結果は、オタマジャクシが他者に関心を持ち、仲間と関わる社会性を身につけるには、遺伝的なつながりよりも幼少期における仲間との相互作用が重要であることを示している。

Source: Hase, K. Social isolation, rather than kinship, influences association behavior in toad tadpoles (Bufo formosus). Anim Cogn 29, 56 (2026). https://doi.org/10.1007/s10071-026-02090-0

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2019年にスタートした本連載「Innovative Tech」は、世界中の幅広い分野から最先端の研究論文を独自視点で厳選、解説している。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。

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山下(Seamless)
山下(Seamless)

2014年から幅広い分野の研究論文をピックアップして解説しているメディア「Seamless」(シームレス)を主宰している。

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