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「ディーエス」は“2画面ゲーム機”の勝ち組になれるかWeekly Access Top10(2004年1月18日−2004年1月24日)

» 2004年01月26日 22時17分 公開
[西坂真人,ITmedia]

News Weekly Top10 1月18日〜1月24日

1位 [WSJ] 任天堂、2画面の携帯ゲーム機「ニンテンドー・ディーエス」発売へ
2位 カラオケの歌詞をギャル文字で DAM
3位 次世代Pentium 4のパフォーマンス強化策、効果のほどは?
4位 ソニーによって生かされるアイワのDNA
5位 「GAMECUBEでLinux」プロジェクトに初成果
6位 堕ちたIPモバイル電話――JMネットの“闇”
7位 Googleの電子メールサービス登場か
8位 IE使用率、不動の95%
9位 MS幹部、防弾チョッキでLinuxWorld入り
10位 上下2つのLCDが「異質なプレイ体験」の解──任天堂の新携帯ゲーム機

Weekly Top10先週は、2画面で遊ぶ新携帯ゲーム機「ニンテンドー・ディーエス」の記事が1位に輝き、10位にも関連記事がランクインした。

 上下2つのLCDというと、20年以上前に任天堂が発売した“元祖2画面ゲーム機”「ゲーム&ウォッチ マルチスクリーン」を思い出す。一世を風靡した「ゲーム&ウォッチ」にフタを付けてフタ側にもLCDを配するという画期的な手法で、下火になりつつあったゲーム&ウォッチシリーズを再び活性化させた。アーケードゲーム出身で縦画面でのプレイがベースのマルチスクリーン版「ドンキーコング」は、ゲーム&ウォッチシリーズでもっとも売れた“名作”として有名だ。

“元祖2画面ゲーム機”「ゲーム&ウォッチ マルチスクリーン」

 新しい携帯ゲーム機に搭載される2つのディスプレイは、「全く新しい娯楽体験(異質なプレイ体験)の提案を狙ったもの」と同社は説明しているが、そのスペックの詳細については明らかにしていない。一方、昨年5月にソニーが発表した次世代携帯ゲーム機「PSP」は、16:9の横長画面を持つ480×272ピクセルのワイド型TFT液晶パネルを搭載する。

 任天堂は以前、携帯ゲーム機に求められるフラットパネルディスプレイ(FPD)について語ったことがある(別記事を参照)。その中で同社は、携帯ゲーム機に最適な3インチ前後のFPDに高解像度パネルを採用することは、コスト面/ソフト開発の手間/消費電力/文字の見やすさなどの点でマイナス要素が多いと指摘している。

 かつてのゲーム&ウォッチシリーズや今なお人気のゲームボーイシリーズなど、同社の携帯ゲーム機がヒット商品になった大きな要因の1つに「優秀で安価なハードウェア」がある。ゲーム&ウォッチ マルチスクリーンの際にも、2画面分のLCDを搭載しながら価格はほぼ据え置きだった。

 メインプロセッサのARM9以外に、ゲームボーイアドバンス(GBA)で使っていたARM7も搭載するということは、GBAとの互換性の面でも期待できそうだ。だとすれば、「GBAと同解像度(240×160ピクセル)パネルの2枚使い」というパターンになるかもしれない。ギリギリまでコストダウンを図ってきた従来パネルの採用によって大幅な単価アップを避けられ、PSPとの価格競争でも優位に立てる。

 ちなみに、立体視による「異質なプレイ体験」を売りに同社が1995年に発売したテーブルトップ型ゲーム機「バーチャルボーイ」も、デュアルディスプレイだった。蛇足だが、当時“次世代ゲーム機”と呼ばれたこの革新的システムは、ユーザーには受け入れられなかったことも記しておく。

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