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MSN Japan「3年でYahoo!に追いつく」

» 2004年10月28日 15時59分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 「今年中に楽天に、3年後にはYahoo!に追いつく」――マイクロソフト執行役でMSN事業部長の塚本良江氏は、10月28日の定例会見で自信をのぞかせた。ネットレイティングスの調べによると、MSN Japan(Hotmail含む)の月間利用者数は2010万人で、Yahoo! Japan(3059万人)、楽天グループ(2230万人)に次いで3位。MSNは今後、独自の検索エンジンや新しいコミュニケーションサービスなどを導入してサービスを拡大し、トップに躍り出たい考えだ。

 ただ、3位というのは、事業者別の統計「プロパティランキング」によるものだ。ドメイン別ランキングでは、MSN(msn.co.jp)は6位。Hotmailのドメインである「msn.com」は12位となっている。

 同社の調べでは、MSNの月間利用者数は3200万人。うちHotmailユーザーが29%とトップで、これにMSNメッセンジャーなどを足すと、4割がコミュニケーション系サービスユーザーだという。次いで検索が25%、Webサイトが18%、ニュースが8%となっている。今年度は、検索とコミュニケーションサービスに注力してPV、ユーザー増を狙う。

新検索エンジンによる検索結果ページのイメージ

 MSNは新検索エンジンの試作版を10月13日に公開した。検索対象のWebページ数を拡大するほか、検索スピードを向上させ、年度内には正式版をスタートしたい考えだ。

 今後はWeb検索だけでなく、百科事典や株価検索などMSNの既存機能や、デスクトップ・社内イントラ内のファイル検索機能などを融合。携帯電話との連動も視野に入れた開発を進めるという。

 また、新しいコミュニケーションサービスを今年度後半に提供予定だと明らかにした。詳細は明かさなかったが「HotmailやMSNメッセンジャーなど、既存のコミュニケーションサービスを融合したものになる」(塚本事業部長)。

MSNミュージックは「好調」だが……

 10月20日にスタートした音楽配信サービス「MSNミュージック」は、「サーバがパンクしそうなくらい爆発的にトラフィックが伸びている」(塚本事業部長)。しかし、楽曲のラインアップや価格は先行する他サービスとほぼ同じ。今後は他サービスとの差別化が重要になる。

 「価格はレーベル側の決定権が大きく、差別化しにくい。楽曲の検索機能を強化したり、ブログやメッセンジャーとの連携を図って付加価値を高めたい」(MSN事業部サービス部の浅川秀治部長)。

携帯電話とPCサービス連動へ

 8月には携帯電話向け検索「MSN モバイルサーチ」をスタート、ブログサービス「MSN Spaces」でも携帯からの投稿に対応した。「国内でPCと携帯電話両方を使っている人は3200万人おり、最も伸びている市場だ。今後はMSNの全サービスで、PC・携帯を連動させたい」(塚本事業部長)。

 メッセンジャーは好調だ。同社によると、国内メッセンジャーユーザーの75%、450万人がMSNメッセンジャーを利用しているという。8月にβ版の提供を開始した、専用クライアントソフト不要のWebメッセンジャー「MSN Web Messenger」をできるだけ早く正式版に移行し、メッセンジャーユーザーをさらに増やしたいとした。

 また、6月に容量・機能拡張を発表したHotmailは、ユーザー数を対前年比で2割増の520万人まで伸ばした(関連記事参照)

 毎日新聞からコンテンツ提供を受けている「MSN毎日インタラクティブ」は、月間ユニークユーザー数2000万人、月間ページビュー数2億5000万弱を達成。「ユニークユーザーでは国内ナンバーワンのニュースサイトになった」(塚本事業部長)。コンテンツ提供を受けるパートナー企業は、今後も増やしていきたいとした。また、ライブドアのように、独自のニュースサイトを作る予定はないとした(関連記事参照)

1Mバイトの広告も

 売り上げの9割が広告収入だというMSN。特に検索連動型広告は、年率4割近く伸びているという。今後は、検索連動型広告にさらに注力するほか、動画と音楽をフルに使える1Mバイトの広告スペースも販売予定だ。「1Mバイトあれば、TV広告と同じ素材をそのままネット広告に利用できる」(塚本事業部長)。ストリーミングを使った動画広告スペースも提供予定で、企業のイメージ広告などに力を発揮するだろうと話した。

「Web広告は今後どんどん伸びるだろう」と塚本事業部長

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