「アクセスが多すぎただけ」――「スパム攻撃スクリーンセーバ」のサイトクラックはデマ
スパマーに攻撃を加えるべくLycos Europeが開発したスクリーンセーバが、大きな注目を集めている。しかし、そのすべてがよいものではない。
同社は12月1日に正式に「Make Love, Not Spam」スクリーンセーバを立ち上げたが、β版は既に広く配布されていた。このスクリーンセーバは「スパマーにスパムする」機能を持ち、スパム広告を出しているWebサイトに繰り返しリクエストを出し、これらのサイトのパフォーマンスを低下させる。
今週初めから、この「Make Love, Not Spam」ダウンロードがハックされているという報告が出回り始めた。「そう。スパマーを攻撃するのは誤りだ。あなたのIPアドレスとリクエストはログを取られており、あなたのISPに報告され、何らかの措置が取られるだろう」というメッセージを受け取ったユーザーがいる。
Lycos Europeの広報担当者が1日に語ったところによれば、同社のサイトは「決してハッキングされてはいない」という。同社はデマの標的となっただけで、誰かがハッキングされたサイトのスクリーンショットを捏造し、Eメールで転送したのだと担当者は説明する。
11月30日から12月1日にかけてこのサイトはアクセス不能となっていたが、広報によれば、それは「需要があまりにも大きかったから」だという。同社は状況を改善するべく取り組んでいる。このスクリーンセーバは既に9万回以上ダウンロードされているという。
担当者は「Lycosはこれが論議を呼ぶものだということは認識している。このサービスを守っていく対策も取っている」と述べている。
同社のサイトが攻撃を受けているわけではないとしても、Lycos Europeはスパマーへの直接攻撃というパンドラの箱を開けてしまったと、あるセキュリティ専門家は考える。
「これはまったく先見性に欠ける考えだ。ハッカーやスパマーと同レベルまで自分らをおとしめている」とSophosの上級技術コンサルタント、グレアム・クルーリー氏。
Lycos Europe自身がハッカーの標的となるだけでなく、法的なグレーゾーンに入り込んでいると同氏は指摘する。
スクリーンセーバはスパムを送るわけではないからスパム対策法は犯さないものの、DoS(サービス拒否)攻撃というルール違反を潜在的に犯している可能性があるとクルーリー氏。
しかし、Lycos Europeは、この攻撃は中央データベースで管理しており、攻撃によりスパムサイトが完全にダウンすることはないように調整していると主張している。
クルーリー氏は、たとえそうであっても、ユーザーがスクリーンセーバを使うことがないように助言している。企業のバンド幅を食い尽くして、ハッカーの怒りを招きかねないからだ。
「私のアドバイスは、優秀なスパムフィルターを使うこと。そして、スパムで広告された商品を決して買わないことだ」と同氏。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
-
2
「comico」サ終にマンガ家が思う“縦読みマンガ”の弱点と戦略ミス
-
3
目指すは、日本発IPで海外売上20兆円 経産省が新戦略を発表 「ものがたり大国5カ年計画」
-
4
Tesla歴5年の筆者がみなさんの疑問に答えます
-
5
LINE、着せかえ表示問題を謝罪 希望者に返金へ
-
6
SNSのウソ画像、どう見破る? 熊本県庁やテレビ局も頼る“すごい企業”の正体
-
7
スマート給餌器で38時間の障害、ペットがご飯食べられず 飼い主の苦情殺到 「旅行中なのに」「猫が死んじゃう」
-
8
法務省、「ラヴ上等」とのタイアップ中止 「当初の意図を全うすることが難しい」
-
9
“メタボ”が脳にゴミを詰まらせる? 「においが分かりにくい」経て認知症へ 米大学が新説
-
10
TikTok、児童プライバシー訴訟で4億ドル支払いへ 米司法省と和解
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR