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P2Pとコンテンツホルダーの微妙な関係News Weekly Access Top10(2004年12月12日−12月18日)

» 2004年12月20日 20時37分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のトップ10には、P2Pファイル交換ソフト関連の記事がランクインした。2位のネットアークの松本直人社長の記事では、P2Pのマーケティングツールとしての可能性を論じている。

 P2Pを使ったマーケティングといえば、NTTコミュニケーションズと松竹が始めたコンテンツ無料配信サービス「わざアリ」が思い出される(関連記事参照)。わざアリは、新人女性タレントなどが出演するショートムービーを、P2Pファイル交換ソフトなどで自由に交換してもらい、プロモーションに活用するというもの。視聴時に必ず広告が再生されるようにしたり、ファイルを開く際に有料キーを要求することも可能で、P2Pを使った合法ファイル配信サービスとして注目された。

 昨年11月のスタート時は広告なしで配信していたコンテンツだが、現在は広告入りバージョンを配信中。ダウンロード数は「予想をはるかに上回り」(松竹)累計80万を突破した。NTTコムによると、わざアリでコンテンツを配信している企業は松竹以外にも複数あるという。P2Pによるコンテンツ流通は、ビジネスになり始めているようだ。

 一方、効率のいいP2Pファイル交換ソフト「BitTorrent」による映画ファイルの交換がハリウッドを悩ませているという記事も先週5位にランクイン。不法流通で痛手を受ける既存コンテンツ業界の姿は変わらない。

 松本社長は、検索からコンテンツにたどり着くP2Pファイル交換ソフトでは、有名なコンテンツほど交換されやすくなると考える。P2Pファイル交換は、駆け出しのアイドルやミュージシャンなどのプロモーションにはあまり向いておらず、ハリウッド映画など既に有名なコンテンツのほど流通しやすくなるという訳だ。P2Pユーザーとコンテンツホルダーとのいたちごっこはしばらく続きそうだ。

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