ITmedia NEWS >

NECエレ新社長、来期は営業黒字化を目標

» 2005年11月21日 20時57分 公開
[ITmedia]

 NECエレクトロニクスは11月21日、経営再建方針を発表した。国内市場の営業強化と海外売り上げの拡大、製品力の強化に注力する一方、生産の効率化などでコスト削減を進め、2007年3月期に連結営業黒字化を目指す。

 都内で会見した中島俊雄社長は「早期の営業利益率2けた台を目指す」と話した。

photo 中島俊雄社長。戸坂前社長が通期赤字転落の責任を取り辞任したのを受けて昇格した

 同社は2006年3月期は200億円の連結最終赤字に転落する見通し。中島社長は業績悪化の原因を(1)国内市場の伸び悩みと海外顧客の開拓不足、(2)製品競争力が不十分、(3)先端プロセスやアナログ技術への注力が不十分、(4)生産コスト高で競争力が不足──と分析し、改善を急ぐ。

 国内市場対策では、商談へのインタフェースとして対応できる販売技術者の増強や、軽視しがちだった中小案件への人員シフトを実施。海外市場では特に中国市場でブランドと販路確立を目指し、現在約350億円の同市場売り上げを5年後に1000億円に引き上げる。

 製品力強化では、システムLSIの共通プラットフォーム「OViA」やデジタルAV向け「EMMArichitecture」を強化するほか、来年度に16ビット品のフラッシュマイコンを投入するなど、マイコンでもトップシェア獲得を目指す。

 先端プロセス開発では、45ナノメートルプロセスの共同開発で東芝と提携(関連記事参照)したほか、HDD向けLSIに米社と組んで再参入する(関連記事参照)など、パートナーと組んで技術補完を行っていく。

 現在の工場稼働率は80%程度。既存の8インチ工場の生産性向上を進める上、NEC山形の300ミリ対応ラインを来年度上期、月産5000枚強引き上げて同1万1000枚に拡大する計画。外部ファウンダリ委託品の内製化などで変動費を売上高費で2%改善、固定費は100億円の削減を図る。

 東芝との提携について、中島社長は「製品ポートフォリオ上、システムLSIで補完ができるなど相性がいい。45ナノでも東芝は進んでいる」と話し、東芝が提携しているソニーとも「基盤部分は共通になると思う」とした。

 国内半導体各社が設立を目指して協議している共同ファブについては「45ナノは1社で行うのは難しいと思っている。使えるものであれば、可能性のあるアイデアだ」と評価したが、共同ファブ経営への積極的な参加には慎重な姿勢を示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.