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日立、「ミューチップ」をさらにさらに小型化

» 2006年02月06日 17時50分 公開
[ITmedia]

 日立製作所は2月6日、0.15ミリ角、厚さ7.5マイクロメートルという世界最小サイズの非接触型ICチップを開発し、動作確認に成功したことを発表した。愛・地球博の入場券としても利用された「ミューチップ」と同等の動作機能を保ちつつ、体積は約50分の1以下となる。

 同社はこれに先立つ2003年2月に、0.3ミリ角/厚さ60マイクロメートルという小型の非接触型ICチップを開発していた(関連記事)

 今回開発されたICチップでは、SOI技術を採用し、従来のシリコン基板の代わりに絶縁層が埋め込まれたSOI基板を利用することにより、素子の間隔を縮小。さらに、チップを薄くする加工技術を開発することで、小型化と薄型化を同時に実現したという。

 この結果、ウエハ1枚あたりから取れるチップの枚数も増加し、0.3ミリ角のICチップと比べても4倍以上、現行のミューチップに比べると10倍程度の生産性向上が見込めるという。また大幅な小型化により、商品券をはじめとする有価証券や各種の証明書など、より幅広い用途への適用も可能になるとしている。

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