セイコーエプソンとJSRは4月6日、液体材料の塗布またはインクジェットによる高品質シリコン膜の形成に成功したと発表した。現行プロセスで作成した低温ポリシリコンTFTとほぼ同等の性能を実現でき、実用化すれば低コスト化や、製造プロセスの環境負荷の軽減に貢献するという。
成果は英科学雑誌Nature(4月6日号)で発表する。
TFT液晶パネルは世界的に需要が増大している。製造は巨大な真空装置による成膜と、高価なフォトリソグラフィー装置を使って行われているが、高コストな上に環境負荷が大きい問題がある。解決に向け、シリコン膜を液体材料で形成する「液体プロセス」の研究開発が進んでいる。
エプソンとJSRは共同で新材料を開発した。基板上に塗布して焼成することでシリコン膜を形成できるという。シリコン膜形成以外は従来プロセスを使ってTFTを試作したところ、従来方式と同等の性能で動作したという。エプソンが得意のインクジェットでも試み、やや性能は落ちるが十分可能であることが分かったとしている。
JSRは高分子化学メーカー。IBMが2月に発表した液浸露光技術に協力した(関連記事参照)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR