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» 2006年05月22日 11時14分 公開

Dellの値下げ宣言に冷ややかなアナリストの反応 (1/2)

AMDプロセッサの採用を発表したばかりのDellは決算発表で、一部製品の価格を引き下げると語った。

[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 Dellが新たなPC価格戦争を引き起こしそうだ。

 しかしアナリストらは、値下げ攻勢だけでは世界最大手PCメーカーのDellが現在の業績不振から立ち直ることはできないだろう、と語っている。AMDのマルチプロセッサを企業向けシステムで採用すると発表したDellのニュースが各紙のトップを飾ったその翌日、Dellによる価格戦争を懸念する声が飛び交った。

 5月18日の同社第1四半期(2〜4月)決算報告に続き、Dellのケビン・ロリンズCEO(最高経営責任者)は、製品品質の向上、サービスならびにサポート強化など3分野に注力した取り組みの中で価格の引き下げを決定し、すでに一部製品を値下げしたと語った。同社から報告された第1四半期業績は売上高142億ドル、1株当たり利益33セントと、下方修正後のアナリスト予測値とほぼ同じであった。

 「(価格の引き下げが)成長を促進することは当社の歴史が物語っているし、私たちは今その実例を準備しているところだ。価格を下げれば利幅は狭まるが、覚悟は出来ている」と、5月18日に開かれたアナリスト対象のカンファレンスコールでロリンズ氏は述べた。「長期的に収益性を取り戻し、持続的成長を遂げることができると確信している」(同氏)

 Dellはこれまで、一貫して市場全体よりも速いペースで出荷台数を伸ばしてきたが、第1四半期にこの傾向が覆された。同社の出荷台数の伸びは約10%にとどまり、市場平均の伸びの約13%を下回った(Gartner GroupおよびIDC調べ)。品質、サービス、サポートの向上に、さらなる値下げ攻勢を組み合わせることで、Dellは自社製品への需要を喚起し、長期的に同社幹部陣が考えるところの「通常の成長パターン」を回復するだろう、とロリンズ氏は語った。

 「こうした複数の取り組みを通じてより優れた戦略的態勢を整え、長期的に収益性も向上するだろう」(同氏)

 しかし、Dellのジム・シュナイダーCFO(最高財務責任者)は、新たな戦略を価格戦争の始まりとまでは言い切っていない。

 「当社の考えは、価格戦争を引き起こそうというものではなく、長期的に最良の結果を生み出す価格と収益性の接点を見出すことだ。6%よりも高い伸び率を出せる的確なポイントを探りたい」とシュナイダー氏はカンファレンスコールで述べた。

 しかしHewlett-Packard(HP)など競合PCメーカーによる最近の積極的な低価格攻勢を考えると、PCの価格を引き下げるだけでは、多くの点でDellが過去に経験した同じ成果は引き出せない、とアナリストは見ている。

 Endpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ社長は次のように話す。「(Dellの幹部陣が)価格破壊を起こすなら、他社も利ざやを投げ出すはずだが、今それに踏み切るにはリスクが大きすぎる。価格とサプライチェーン管理をうまく組み合わせる必要がある」

 価格戦争を限界まで続ける覚悟がない限り、Dellは別のアプローチを講じるべきだ、とケイ氏は提言する。

 同氏によれば、「これまでDellは『他社よりもずっと安い価格で製品を提供します』というスタンスだった」。だが今、「Dellに必要なのはこれまでとは違った売り込み方だ――HPのマーケティング手法を一部見習い、価格の安さではなく(自社PCの)機能のメリットを強調していくべきだ。なぜそれが重要なのか、顧客に伝えなければならない」(同氏)

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