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「ラグナロク」GMのガンホー社員逮捕 「ゼニー」を不正に増やし売却

» 2006年07月20日 16時14分 公開
[ITmedia]

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは7月20日、同社の社員の男(26)が、MMORPG「ラグナロクオンライン」のゲームデータに不正アクセスしたとして、不正アクセス禁止法違反の疑いで警視庁に逮捕されたと発表した。

 男はゲーム内での不正行為を監視するゲームマスターだった。19日に逮捕され、同社は同日付で懲戒解雇した。

 同社によると、男は直属上司のアカウントを盗み見てゲームデータ管理サーバに不正アクセスし、ゲーム内仮想通貨を作り出してRMT(リアルマネートレード)業者に販売した疑い。1400万円の利益は借金返済や遊興費に充てていたという。

 同社はゲームデータ監視業務中に仮想通貨の異常値を検出し、3月24日に男の不正行為を確認し、自宅待機を命じた。社内調査で5月31日に全容が発覚し、6月1日に丸の内署に被害届を提出。逮捕を受けて懲戒解雇した。

 同社によると、男が作り出したゲーム内通貨(単位はゼニー)は6910億ゼニー。同社はRMTを規約で全面的に禁止していた。

 大量のゼニーが流通し、ゲームバランスに影響する可能性があるため、ゲーム内相場を見据え、通貨の回収やアイテム発生率・消費率の変更などでバランスを調整していくとしている。

 同社は責任を明確にするため、社内処分を行う。森下一喜社長を10分の1減俸(3カ月)とするほか、担当取締役、直属の上長3人、システム管理者1人を減俸とする。

 今後は、仮想通貨やアイテムにアクセスできるスタッフやPCを絞り込み、監視も強化するほか、モラル研修なども行って再発防止に務めるとしている。

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